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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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白い世界-18

「アース!!」

「おぅ、無事だったか爺さん」

『儂を誰だと思っておる』

「ハハッ、ファンの守護神様だったな」

 空を飛びながらのんびり会話をしているように聞こえるが、2人の表情は固く、視線はザギに注がれていた。
 龍に変化したザギはかなりのスピードで火山へ向かっている。
 このままでは……追いつけない……。
 しかし、火山の中腹辺りでザギが何かにぶつかった。

『!!?』

 何かに弾かれたザギはそのままそこに絡められたように動けなくなる。

「……あれは……」

 ザギが絡められている何か……それは桃色に光る巨大な魔法陣。

「「……リン?!」」

 アースとベルリアが自分の目を疑いながら声を揃えて驚きの声を上げた。

「はぁい♪仲間外れはイヤよぉアタシも混ぜて♪」

 リンは両手を空に掲げて魔法陣を維持しつつ、ザギの後ろからやってくる顔見知りにパチンとウインクする。

『貴様ぁ……』

「あぁら、良い声ねぇ……アタシの魔法陣はそう簡単には破れないわよぉ」

 リンは顔に妖しい微笑みを浮かべるとキュウッと両手を下に下げた。

『ギッ……?!』

 ザギはリンに操られるように地面へと引きずり降ろされそうになる。

「ちょっとぉ!!ベルリア!手伝ってよっ」

 呆気に取られていたベルリアは、ハッとして慌てて風を操りリンの元へ飛んだ。

「どうやって来たんだい?!」

 リンの横に並んだベルリアは、リンと同じ魔法陣を作りながら聞く。

「アンタの転移の魔法陣使っちゃった」

 ベルリアはミヤと会う為に転移の魔法陣をゼビアとファンに設置していた。
 それを使ってひと月に1度はファンにこっそり訪れていたのだ。
 そう、アースとキャラが離れて悶えていた半年の間も……それを聞いた2人は物凄く嫌な顔をしてベルリアを睨んだ。
 教えてくれればあんなに悶々とした日々を過ごさなくて済んだのに……。

「わ……私とミヤの秘密なのに……」

 ベルリアは2人の視線に冷や汗を流しながらモゴモゴと言い訳をする。


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