誰が私を犯したの?-7
黙々と仕事をこなす京香。時間は19時を過ぎた。
「もう19時かぁ、あと1時間はかかるなぁ。」
アパート暮らしの京香。誰にも迷惑をかける事はないが、やっぱり早くは帰りたい。
「もうちょっと!頑張らなきゃ。」
そう気持ちを切り替えた瞬間だった。いきなり電気が消えた。
「えっ?な、何!?停電!?」
真っ暗になり何も見えない。混乱の次には、暗闇に恐怖を感じる。
その瞬間だった。事務所のドアが開く音がした。
「えっ!?」
ドキッとした京香。しかも何か人影らしきものが自分に向かって来るのが分かる。
「だ、誰っ!?」
どんどん近づいてくる。慌てる京香。
「だ、誰っっ!?来ないで!!」
恐怖で震え上がる。
「きゃっ!」
何者かに背後から抑えつけられる。
「きゃあっ!!」
強い力だ。鼻息が髪にかかる。そして胸を弄られる。
「ど、どこ触ってんの!?止めて!!」
混乱する京香。耳元で声がした。
「京香ちゃ〜ん、俺、前から君とヤリたかったんだよね〜。へへへ」
「だ、誰っ!?(ヘリウムガス…?)」
ヘリウムガスを吸い込んでいるのか、妙に声が甲高い。
「もう我慢できなくなっちゃったんだ。ゴメンね京香ちゃん、レイプさせてもらうね?」
「レ、レイプ…」
その響きが物凄く不気味で怖く感じた。
「放して!!」
力一杯抵抗し暴れる。手が男の顔にぶち当たった。
「痛てぇな、この馬鹿女!!大人しくしろっっ!」
京香を床に投げ倒す。
「きゃっ!」
すぐさま体の上に乗られた。
「おい、大人しくしろよ。な?」
顔に何か冷たい感触がする。
(ナ、ナイフ…)
急に血の気が引いた。
「お前、危ないからなぁ…。」
男は京香の頭の上で手首をガムテープで巻き付けた。恐怖で体が震えてきた。
「お願い…止めてください…。」
震える声を絞り出す。
「お前はあの皆川と一緒になって陰で俺達を馬鹿にしてたよな?その罰も兼ねてだ。」
「わ、私は話を合わせてだけで…」
「同罪だ。へへへ、いつもツンツンしてる京香ちゃんの、恐怖に震える姿もたまんないね…」
ナイフで顔を撫でる。
「ひっ…、も、もしかして皆川さんが辞めたのも…」
「ああ。山下と結婚する前に、みんなにお仕置きされて散々弄ばれたのさ。罰を受けたんだ。次は京香ちゃんだよ?」
「嫌っ!!」
体が震えて止まらなかった。