プロローグ-1
「さあ、明日は神聖な儀式の日よ。今日はお風呂で体をスミズミまでよーく洗うこと。男の子達に笑われないようにね!」
世話役のお姉さん(20歳・2人子持ち)が10歳になったばかりの女の子達が浸かる湯船に向かって元気な声でそう言った。
ここは村の神社にある、<若女(わかめ)小屋>と呼ばれている木造の建物の風呂場だ。ここは一年に一回、夏祭りの前日に、この年に10歳になる女の子達が集められ共に一夜を過ごす場所である。何の為に集められるかって?そりゃ理由は一つしかない。翌日執り行なわれる「成喜祭」の為である。
この祭りは村に200年前から伝わる祭りで、男女共に10歳になると全員参加させられる。村の人口を維持する為に、10歳になると許婚(いいなずけ)を村の長老に決められ、女の子が出産可能な年齢に達したら、結婚させ、子を産み育てるようにするのだ。
しかし村の中だけで人をやり取りしていると、やがて近親姦につながってしまう為、男の子は隣村からやってくるのだ。
明日の成喜祭は村人達全員の前で、許婚と体を交わし、皆に将来のパートナーを宣言する祭りなのである。
今年の祭りに参加する女の子は20人。この村は若くして子を産むため、少子化とは縁が無い。村には子供が溢れ返っている。
「ねえ、明日はどんな男の子がくるんだろう。楽しみだなぁ」「カッコいい子がいいよね」「でも、オマタにおちんちんを入れるんだって。うちのお姉ちゃんが言ってた」「痛いのかな?」「私は楽しみだなぁ」「でもみんなの前で裸になるんだよね。チョット恥ずかしいかも・・・」「恥ずかしくないように、きれいに洗っておかなくちゃ」
女の子達は無邪気に会話をしている。
皆、胸はぺたんこで、割れ目には産毛すら生えていない。そんなまだまだ少女真っ只中の女の子達は、互いに体を洗い、明日の祭りについて想いを巡らせている。
「みんな、きれいになったわね。そろそろお風呂から上がりなさい」
お姉さんが声をかける。女の子達はゾロゾロと風呂から上がり、体を拭くと、ちょうどバスタオル二枚分ほどの大きさの、薄い木綿の布を体に巻いた。
これは、祭り前夜の若女小屋に泊まる際の寝巻きで、200年前からこのスタイルだ。
女の子達は、小屋の中央にある広間に連れられ、そこで就寝し明日の朝を迎える。