君は僕のものになるんだよ?-9
少し仕事をすると、亜紀は健太郎に書庫に呼び出された。書庫に入ると手錠をかけられ吊される。当然バイブ攻めされる。
「ああ…。」
バイブ攻めしながら亜紀に話しかける健太郎。
「山下は本気で皆川が好きなんだなぁ?お前ら付き合うのか?もし付き合ったら、俺はもう手を出せないな…。」
「えっ?」
「俺だって、後輩の彼女には手を出せないって。そこまではできないよ、いくら俺でも。」
「や、山下さんと付き合ったら、川田さんはもう手を出さない、と…?」
「出せないよ。山下に悪い。」
「…」
絶望感の中にいる亜紀にとって、それは光に思えてしまう。
「小俣達だってそうだろうな。女好き揃いったって、同僚の彼女を弄んで平気な奴はいないって。」
「…。(山下さんと付き合えば、この生活から抜け出せる…?)」
正常な判断が出来ないくらいに、亜紀は追い詰められていた。
(こんな生活から抜け出せるのなら…)
日替わりで違う男に抱かれながらそう思う時が多くなる。山下の部屋で抱かれる度、少しずつ表情豊かに喘ぐようになっていた。
「ああん…山下さん…イク…!」
初めは全くイケなかったが、最近は良くイケるようになった。
「亜紀ちゃん…」
亜紀は山下の胸の中で眠りにつく事が多くなる。まるで甘えるように…。 (取り敢えず彼女になっちゃえば助かるかも…。どっちにしても嫌な相手とするなら、たくさんよりも1人の方がましだし…。)
小俣、武田、下川、山下にヤラれるなら、山下1人にヤラれた方が楽だ。 「山下さん…好き…。」
「亜紀ちゃん!」
ようやく愛が通じたと喜ぶ山下と、今の生活から抜け出す為にしょうがなく山下の彼女になる事を選んだ亜紀。2人が付き合い始めた事を宣言すると、他の男達は身を引いた。亜紀は仮面を被り、山下の彼女に収まっていた。
部屋で翔子を抱き終えた健太郎。翔子が言った。
「うまく逃げたね、あの女。」
煙草を吸いながら冷たく笑う健太郎。
「まぁ、みんなから逃げられたつもりだろうけど、ね?皆川は山下を愛してなんかないよ。自分を守る為だけに山下の彼女になってる。へへへ、でもね、本当の不幸は今から始まるんだよなー。へへへ」
「えっ?」
まだまだ計画が進んでいる事を感じた翔子だった。