君は僕のものになるんだよ?-13
月曜日会社に行くと、武田が話しかけて来た。緊張が走る。
「亜紀ちゃん、山下と付き合い始めたんだって?」
「はい…」
「じゃあしょうがないな…。でも残念だよ、もう亜紀ちゃんと遊べないなんて。」
そう言った。下川も小俣も同じような事を言った。
それから何事もなかったかのようにみんなは接してきた。そしてもう体を求める事もなかった。上司からも、また表情が明るくなったねと言われた。ようやく平穏な日々が戻ってきた。
「亜紀ちゃん、今日亜紀ちゃんの部屋に泊まりに行ってもいい?」
「うん。」
笑顔で答える。
(山下さんとうまく付き合っていかなきゃまた後戻りする事になるからね…。きっと別れた瞬間、すぐに求めてくるんだろうな…。もう絶対嫌。しばらくは気持ち悪くても山下さんの彼女してなきゃ…。)
亜紀は心に違う。
部屋に来て嬉しそうな山下。
「亜紀ちゃん、ニーハイにミニスカート履いてみて?」
部屋にある服を見て要求する。言われた姿になった亜紀。
「たまんねー!」
すぐさま太股に抱きつき頬づりしてきた。
(気持ち悪い…。)
我慢する亜紀。テレビを見ながらオッパイを揉まれても文句一つ言わないでいた。
取り敢えず想像以上に大切にしてくれる山下。山下以外のこういうタイプと付き合いたいな、そう思うぐらいだ。取り敢えず表面上はラブラブ生活を送っていた。
一方、健太郎は今や翔子が大のお気に入りだった。翔子もヤリマン卒業し、ずっと健太郎一筋だった。
「すっかりあの女、山下さんとラブラブになっちゃったわね。私の鬱憤も全部晴れたし、もう、皆川さんは終わりだね?」
「まぁね?でもアイツは最後まで俺に嘘をついたからなぁ。あいつ、山下を愛してしまったって言ったけど、実は違うな。」
「えっ?」
「偽装恋愛だよ。みんなの玩具になるのが嫌だから山下と付き合って身を守ってるんだよ、実際。」
「そ、そうなの?」
翔子さえも驚く。
「ああ。そんなあいつの姑息な根性を直して貰わないとな?あいつの地獄はこれからさ。」
「…」
健太郎ちょっと怖さを感じた翔子だった。