君は僕のものになるんだよ?-10
(山下さんの彼女になっちゃえば、もうみんなの玩具にならなくても済むのかな…。)
亜紀は山下に抱かれながらそう思うようになってくる。
(どっちにしても弄ばれるのなら、1人のほうがまし…かな…。)
そういう思いが強くなる。
(きっと私が好きだって言えば、山下さんは喜んで付き合ってくるよね、きっと…。)
あれだけ自分を好きだと言ってきてる。自分を彼女に出来たら嬉しいに決まってる、そう思った亜紀。
金曜日の夜、みんなに弄ばれた亜紀はいつものように山下の部屋に行った。シャワーを浴びてセックスが終わってから、亜紀は今の生活から脱却すべく、行動に移す事にした。
「山下さん…私、みんなに弄ばれてつらくてしょうがないけど、でも…山下さんがいつも優しく慰めてくれるから、耐えられてるんです。いつもありがとうございます、山下さん…。」
それを聞いた山下は物凄く嬉しそうな顔をして喜ぶ。
「俺は亜紀ちゃんを救いたいんだ。初めは亜紀ちゃんとセックス出来るから一緒になって楽しんでたけど、でも段々と他の男が亜紀ちゃんの体を弄ぶのを見るのが耐えられなくなってきたんだよ。俺はどうしたら亜紀ちゃんを守れるか考えてたんだ…。」
「山下さん、私の事守ろうとしてくれてるの、分かります。山下さんなら私の事、大切にしてくれそうだなって思いました。私、山下さんの彼女にしてもらいたいです…。」
驚いた表情を浮かべた山下。
「マジ?俺と付き合ってくれんの!?」
「山下さんが嫌じゃなければ…。」
「俺は嫌な訳ないじゃん!マジ?マジで付き合ってくれんの!?」
「はい。」
「亜紀ちゃん!」
嬉しすぎて抱きしめてしまった。亜紀はなんとなく憂鬱さが消えていく気がした。しかしそれは亜紀が愛を捨てた瞬間でもあった。