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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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君のいる景色 -6

「わぁったよ。じゃ、ミヤが報告に行って、親父さんと叔父さんはここを快適に使えるように整えといてくれ。怪我人の事は任せた」

 避難場所で大人しくしてるハズも無い2人には、やりがいの有る仕事の方が良いだろう。

「おう、せっかく治したんだからお前ぇは来んなよ」

「ケイ!!海の男の力を見せてやれ!!」

 ゲイッシュの言葉に苦笑いしたアースは軽く手を振り、父親の気合いにケイは大きく頷いた。


 キャラのチームは暗くなる前に予定していた野営地に着いた。

「姐さん、今日はここで野営にしましょう」

 兵士に声をかけられ、キャラは大きく手をあげる。

「みんなお疲れ!野営の準備を!」

 半日、休みなく進んできた一行は羽馬から降りて思い思いに体を伸ばし始めた。
 羽馬は賢いので素人でも乗れる。
 ゼビアの騎士団も参加している冒険者も1人に1羽、羽馬が与えられた。
 ただ、デレクシスだけはベルリアと一緒に乗っている。
 移動中、ベルリアに魔法原理と簡単な基礎を叩き込まれていたのだ。

「うう……頭がくらくらする……」

「休憩したら実技やってみようか」

「はい……」

 短時間で色々教え込まれたデレクシスは頭を抱えながらも返事をする。

「使えますかね?」

 そっと聞いてきたキャラに、ベルリアは首を鳴らして答えた。

「実技次第かな?ちょっと頭が堅い所があるね」

 王族ならではの身分だの無礼だのにとらわれやすい、とベルリアは言う。

「ふぅん……」

 キャラは少し考えてからデレクシスに近づいた。

「デレク王子。野営準備を手伝って下さい」

 そう言いながら軽く蹴るキャラに、デレクシスは嫌な顔をする。

「私は王子だよ?」

 ただでさえ頭がパンクしそうなうえに、慣れない旅……少しは優しくしてくれてもいいじゃないか、とデレクシスは頬を膨らました。

「だから何だ?現場じゃ身分は関係ねえよ。デレク王子は一番下っ端。ほら、立って。動く動く」

 甘えるな、と蹴りを強くするキャラにデレクシスはのそのそと立ち上がる。
 キャラは兵士達が食事の準備やテントを張ったりしている一角……冒険者が集まっている所にデレクシスを連れて行った。


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