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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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君のいる景色 -4

「よし、1人でもう1個作ってみろ」

 アースの言葉にケイは魔力を操る。
 再びクインが口を開け、さっきの球体の隣に一回り小さい球体を作った。

「上出来。クインを通した方が上手くいくな」

 エンのように魔法の修行をした後なら精霊は補佐をするだけでいいが、まっさらな状態なら2人ひと組と考えて意識を共有したまま魔法を使った方が上手くいく。
 精霊つきについて新しい発見だ。

「ふぃ〜魔力使うのって疲れるなぁ〜」

 水の球を作るだけで50メートルダッシュした気分。

「ま、始めのうちはな……使ってると慣れてくるさ」

 アースはケイから額を離して両手を後ろについて座る。

「さてと……大分コツは掴んだな?」

「おう」

「クインに海の様子を見てきて欲しい。俺が作った壁がどうなったか、水中にも魔物はいるのか、魔物達の後方はどうなっているのか……気づかれたら攻撃される可能性が高いが……行けるか?」

 精霊がダメージを受けると相方にも影響がでる……それでも行くか?とアースはケイに聞いた。

「クインが良いなら行くぜ!」

『ククッ!』

 クインとケイの元気な返事に、アースは少し笑って再び額を合わせる。
 こうすればクインの見ているものを、ケイを通して見れるのだ。

「クイン!」

『クウッ!!』

 クインは返事をすると勢い良く海に飛び込んだ。
 海の中を泳ぐクインの視界は鮮明で綺麗。
 ただ、沖から逃げて来る海洋生物が邪魔でしかたない。
 しばらく進むと水面が凍っているのがわかった。
 アースの作った壁は大分前に破壊されたようだ。
 氷の下に潜り、更に奥へと進む。

「水中に魔物は無し……氷は厚い所で5メートルか……」

 ブツブツと独り言を言うアースの腕を、異常な光景を見たケイが叩いた。

「なあ……あれ、何だ?」

 視界の先にあるのは虹色の輝きを放つ大きな水晶。
 その大きさはお屋敷ぐらいの家を飲み込む感じだ。
 虹色はドクンドクンと、まるで心臓の動きのように明滅している。

「……ありゃぁ……もしかして、魔力の塊か……?!」

 昔読んだ古文書にあったような気がする……ベルリアならもっと詳しくわかるだろうが……。

「近づかない方がいいな……ヘタすりゃ吸い込まれるかもしんねぇ」

 クインはアースの言葉に従い、ぐるんとまわって戻る事にした。

「クイン、そのまま戻って来い」

 アースはそれだけ言うとケイから離れてミヤに声をかける。


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