羊の皮を剥ぐ-10
「まぁ、これ見てみなよ?」
健太郎はデジカメの画像を亜紀に見せる。
「な、何勝手に撮ってるのよ!消しなさいよ!」
手を伸ばす亜紀を制止する。
「消す訳ないだろ?お前のこんな写真を、お前とヤリまくりたい俺が持ってるって事はどうすればいいのか分かるだろ?」
「脅す気?」
「そうさ?」
「ざけんなよ!」
「へへへ、この写真見ろよ?このアングルは俺には撮れないよな?」
見せられた画像は健太郎が自分で撮れるようなアングルではなかった。
「ど、どういう事…?」
「撮って貰ったんだよ、他の誰かに。」
「えっ…?」
「お前が寝てる間に、ね?そいつ、このメモリーカードをコピーして持ってったから、これ消しても意味ないんだよね?」
「最低…。」
「へへへ。だからお前がおかしな事をして、例えば俺を訴えてもさぁ、お前の恥ずかしい写真の流出は避けられないんだよ。だから流出させない唯一の方法は、俺の従順なセフレになるしかないんだな、皆川?」
「き、汚い!!」
「俺の言う事聞いてた方がずっとみんなのアイドルでいられるぜ?そうじゃなかったら、お前の本性をみんなにバラしてやっちゃうよ?会社辞めても逃げられないよ?この写真がある限りね?分かるだろ?」
「マジでゲス!」
「世の中、そういう男もいっぱいいるもんさ?ハハハ!」
高笑いする健太郎。
「いったい僕の協力者は誰なんだろうねぇ?会社の奴かも知れないし、そうじゃないかもしれないし…。へへへ」
「くっ…」
健太郎が不気味に思えた。
「全ては俺をホモ呼ばわりしたからさ?自分の口を恨むんだな。」
急に殺気立った表情に亜紀はゾクッとした。