野生の悪魔が現れたっB-1
翌日、修一はルンルン気分で登校した。
要因は二つ。
一つはゴムが手に入るという事。
それがあれば、言いなりの奴隷に堕とした女を気兼ねなくハメられる。
敦子に用意させた理由としては、社会人だからというのが大きい。
一週間に一箱どころの消費では済まないと考えた彼は、金銭的な面で担任を選んだわけだ。
しかし、思い返せば花梨でも良かったかと後悔している。
花梨はファミレスの運営を中心とした企業、MYMグループを纏める真山会長を父に持った、本物のお嬢様なのだ。
それを思えば、女子高生のお嬢様に避妊具を買わせるなどどれほどの興奮であっただろう。
そんな彼の後悔は、それを上回る愉しみによって払拭された。
それがもう一つの要因……つまり、花梨から受けた屈辱を何倍にもして返す内容を思い付いたのである。
学校に着いて直ぐ、修一は職員室へ足を運んだ。
「おはようございます。国見センセっ」
弾んだ声色の修一に対し
「お、おはよう……片桐くん……」
敦子が動揺した声色でそう返した。
彼は少し前屈みになり、ボリュームを下げる。
「買ってきた?」
「えっ、ええ……。でもここじゃ……」
敦子は顔を赤くし、視線を泳がせる。
「解ってるって。一限は空いてる?」
「え……あの、授業が……」
「じゃあ自習にして、屋上に来い。早速それ使うから」
そう言われると敦子は頷くことしかできない。
「ははっ、いいねぇ。自習にしてまで生徒にハメられに来るなんてさ。考えただけで興奮するだろ?」
そう言われると敦子は
「そんなわけないでしょっ……」
と、小声ながらも否定することが出来る。
質問は命令ではないからだ。
それを改めて実感させられた修一は、あっちからも求めてくるようにするにはどうしたらいいだろうと考える。
それこそ、自分を見ただけで淫汁を垂れ流すくらい発情させるいい方法はないか、と。
だが、やらなければならないことを思い出し、職員室を離れた。
その足は教室へ向かわず、昇降口へ引き返していく。
自分の下駄箱の前に来ると、何故か首を傾げ始めた。
そこに一人のクラスメートが登校してきて、修一の横で靴を履き替える。
「おはよう」
「え? お、おはよ……」
その女生徒は、やはりあまり会話をしたことがない。
にも関わらず、修一は親しげに語りかけるのだった。