野生の悪魔が現れたっB-20
やがて突き出した胸部を落ち着けると、不規則な間隔で弾むのみとなった。
瞳が何を見ているのかは解らない。
しかし
「優子」
と呼ばれれば
「はッ……い……ッ……」
と返事をして修一を見つめるのだった。
「今夜は旦那と体力の限界までセックスしろ。その時、一回だけア○ルセックスをするんだ」
「ッ……んッ、はい……ッ……」
修一は口の一端を歪める。
「ここ掃除してから帰れよ?」
取り外したゴムを優子の顔へ落とし、彼は満足げにそこを後にした。
「修一! メシメシッ!」
「お腹空きましたぁ〜……」
彼が帰宅すると、途端にそんな声が飛んでくる。
「つか、お前ら居候の分際で態度デカくねーか?」
「何言うてんねんっ。人から力もーてザーメンぶっ放しまくっとるくせに」
「う゛っ……」
そう言われると言い返せない修一は、いそいそと夕食作りへ取り掛かる。
「修一さんの言うことも一理ありますね……」
そう呟いたミルルは項垂れていた円卓から上体を起こし、立ち上がった。
「だろ?」
冷蔵庫から適当に取り出した彼は、流し台付近に立つミルルの頭にポンと手を乗せる。
それに対しミルルは、くりっくりの若草色の瞳で修一を見上げ
「直ぐにご飯が食べられたら、その分沢山の時間修一さんのザーメンをぶっ放してもらえますっ」
と胸元に添えた両手をグーにして言うのだった。
「……通じてないんですね、諦めます」
修一は諦めたようだ。
「それで、まずは何をするんですか?」
ミルルは再びグーに力を入れ、やる気をアピールする。
「まぁ、取り敢えず野菜洗って、切って、炒める? つか……」
修一はミルルを見て頭を抱えた。
流し台に立つには身長が足りていないのだ。
「えっと……」
押し入れをガサガサし始め、台になりそうな物を幾つか手にし、台所へ戻る彼。
「はい、乗って」
「…………はっ!」
台に乗ったミルルは
「届きましたーっ!」
よく解らない感動を露わにする。
「ちゅーか、うちら飛べるし」
「「う゛っ……」」
そして、二人して撃沈したのだった。
「そんなことより修一」
「ん?」
クランの声に、彼はそちらへ向き直る。
が
「まず洗うんですね?」
横からも声が飛んできて首が忙しい。