お茶会-2
「魔法は、ただ便利なだけに思えるかもしれないけど。それでも2つの法則からは、無縁でいられないのよね。これが。」
「2つの法則?」
「質量保存の法則とエネルギー保存の法則。」
「そうなの?」
「魔法を使えば、それに見合ったエネルギーを消費するのでお腹が空くんです。」
「そうだったんだ。」
「あの…由美さんって魔法使いじゃなかったの?」
「ああ。そうだった。まずその話を一番にしないとね。」
「はい?」
「実は、中学生とは世を忍ぶ仮の姿で…」
「はあ」
「実は超常現象対策課の捜査官なんです。」
「なんです?」
「平たく言えば妖怪退治屋さん」
ありすが解説する。
「そうなんですか。」
「そうなんです。それでどうしてもカミーラさんに確認しておきたいことがあります。」
「はい?なんでしょう?」
「貴方。最近、国際指名手配されなかった?」
「はあああああああああああああ?????」
「ほら、だからカミラちゃんじゃないって言ったでしょ?」
「あのどうして?私が、指名手配だなんて?」
「貴方の故郷から、協力要請が来ているの」
由美は、携帯を取り出すと画像をカミラに見せる。
カミーラは、由美の携帯の画像を凝視してる。
「この画像つきで協力要請が来たの。カミーラ・ドルベーク 魔女 推定年齢157才 A級指名手配」
「はあ????157才って…」
「この画像の人物に見覚えは?」
「あったりします。」
「えっ!知ってる人なの?」
「これは何者かの嫌がらせですわ!」
「と言われますと?」
「この画像…大人の私です。しかも157才って何って感じ」
「嫌がらせだね」
「誰かに、恨まれてるとか。心当たりあります?」
「伯爵か、犬野郎か、それとも…。心当たりが多過ぎて判りません」
「意外に過激な活動してたんだね。」
「そんなつもりは、なかったんですが、見て見ぬふりも出来る方ではないので…。腐れ外道供を見るとつい・・・。」
「わかる。わかる。悪党供は、皆殺し!」
由美は、拳を握り締めて立ち上がる。
同時にカミーラも拳を握り締めて立ち上がっていた。
由美とカミーラは、顔を見合わせてにっこりと微笑む。
「カミーラさん、貴方とは気が合いそうだわ。」
「私の事は、カミラと呼んでください。貴方とは、仲良くなれそうです。」
2人は、がっちりと握手する。
「なんか…危なそうな気がする。」
ありすは、ぼそりと呟いていた。
「もし、貴女を陥れようとしている連中の事でなにか気がついたら私達に連絡してね。」
「ありがとうございます。」
「じゃあ、取り合ええずメルアドと番号の交換しよ。」
3人は、携帯を取り出しやり取りを始める。
その後もしばらくの間お茶会は続いた。