野生の悪魔が現れたっ@-6
「え? どう違うの?」
「ええか? 催淫術は性欲に働きかける低催眠術なんや。イったら勝手に解けてまうけど、催眠術は解けろ言わん限り解けへんのや」
言いつつ、クランは尻尾だけをニョキっと生やして友美の内腿をこじ開ける。
「細かく命令していかな何の役にも立たんただの人形っ」
「んんあッ!」
尻尾が陰唇からねじ込まれ、初めて友美は声を上げた。
「豚っ! 肉っ! クズっ! ゴミっ!」
「ひぎッ! あぐうッ! ん゛ッ!」
クランが語気を強める度にビンっと張り詰める尻尾。
「このまま子宮まで突っ込んでも喘ぎ続けるんちゃうか?」
「く、クラン! お姉、ちゃん……」
たまらずミルルは身を乗り出して止めに入ろうとする。
「……まぁええわ」
クランは友美から尻尾を引き抜くと、先端を確認するように自分の前へ近付けた。
「濡れてへんわ。ホンマに催眠術みたいやな」
口角を上げるクランの目線がミルルへ向けられる。
「催眠術ならマインドコントロールとか後催眠とかで何とかなるやろ。取り敢えず、催眠術解けるようにしたり」
クランが修一を顎で指すと、ミルルはすくっと立ち上がった。
「では『浄化術』を使えるようにしますね」
「「浄化術?」」
修一と、何故かクランまで疑問符を浮かべた。
「催眠を解く術です」
「んなら『催眠を解く術』でええやん。ややこしい」
「それでは長いので……お姉ちゃんは大天使が嫌いでしたね」
ミルルは苦笑混じりに言うと、改まったように修一へ向き直る。
そして大きな瞳を覗き込ませた。
修一を昨日と同じ違和感が襲う。
目から滲み込んでくるそれは体中に浸透し、ミルルの輪郭が重なると同時に治まっていった。
「目を見ながら『魂を浄化せん』って念じると催眠が解けますよ」
ニコッと笑って方法を伝えたミルルはクランの様子を窺う。
「んな、お仕置きな」
ニヒヒっと口角を歪めるクランに何故かミルルは安堵を覚えていた。
そして、二人は忽然と姿を消したのだった。
「消えたっ……」
小さな驚嘆を洩らす修一。
しかし昨日ミルルが何もない空間から突然現れたのを思い出すと、それほど不思議な事ではない。
催眠に陥っている全裸姿の友美に向き直り、早速浄化術なるものを使おうとした。
が、修一は考える。