野生の悪魔が現れたっ@-5
「節操のないチ○ポをお持ちなんですね」
断っておくが、ニコニコ笑って言う幼気な少女は淫魔である。
そう、アパートの住人に悪魔と淫魔が増えたのだ。
「初めっからこないしとけば良かったのに、アンタもアホやなぁ」
呆れ顔で言うクランに
「で、でも力を……あうー……」
ミルルは困惑して頭を抱えていた。
「何? 何の話?」
「ええねんええねん、こっちの話やし。んなことよりさっさとヤったりーな」
修一の疑問を軽くかわしたクランは、ニヤニヤしながら友美の方を窺う。
しかしすぐに歪んだ口角を戻して友美の方へ歩み寄った。
「なんかおかしいな、コレ」
立ったまま動かない友美。
その身体を前後左右キョロキョロ見回すクランは首を傾げている。
「おかしい?」
この部屋にクラスメートと悪魔と淫魔とがいる時点で既に「おかしい」修一にとっては、クランが何を指して言っているのかイマイチ解らない。
「うん。取り敢えず脱がせてみーや」
「え!? 今ここで!?」
「せや?」
さも当然と言わんばかりのクランと円卓の傍に座ったままのミルルに物言いたげな視線を遣る修一だったが、諦めたように友美へ手を伸ばた。
震える手でリボンタイを解き、緊張に汗を滲ませながらボタンを外していく彼の様子に、クランは
「童貞なん?」
と思わず嘲笑を洩らすと、何故かミルルが
「はい」
と答えた。
その通り童貞の彼は、姉妹のやりとりも耳に入らないほど興奮していた。
現れた白いブラジャーに股間を痛くしながら優しくカッターシャツを脱がせ、その手をスカートに向ける。
ホックを外してジッパーを下げると、それだけでスカートは勝手に滑り落ちていった。
為されるがままの友美は嫌がるわけでも恥ずかしがるわけでもなく、ただ虚空の一点を見つめ続けている。
ブラジャーを取られて丁度手の平に納まる乳房を外気に晒しても、ショーツを下ろされ陰部を見つめられても微動だにしないのだ。
「ミールールー?」
クランは目を細め、友美からミルルへと視線を動かした。
「あ、あのその、えと……あうー」
半端なく動揺するミルル。
二人の様子に修一は
「え、何?」
と訊かずにはいられない。
「ミルル、『催淫術』やなくて『催眠術』を使えるようにしたらしいわ」
クランは呆れた溜め息を吐いていた。