野生の悪魔が現れたっ@-2
そうは言いつつも半信半疑な部分は払拭出来ない修一。
彼は改めてクランをまじまじと見つめてみる。
黒い下着かビキニのようなものと太腿まで覆う黒いブーツを履いた自称悪魔は、髪こそ赤いがどう見ても小○生である。
身長、体格、胸囲等あらゆる面が幼さを主張していた。
「なんや、疑ってんの?」
クランが修一の様子を見て不服そうに言ったかと思うと、次の瞬間にはにょきっと人間には無い物を出して見せた。
コウモリのような黒い羽と、確かに悪魔を思わせる黒い尻尾である。
「え!?」
修一は驚愕を露わにする。突然目の前の小○生から羽と尻尾とが生えたのだから無理もない。
「うわ……マジで悪魔なのかよ……」
「そう言うてるやんっ」
クランは半ば呆れ顔で、やはり
「んで、望みはなんやねん?」
と問い掛ける。
「待て待て、望みを叶えてもらったら俺死ぬんじゃね?」
「死なん死なん。即死禁止って魔界法で決まってんねん。せやから何でも叶えられるわけちゃうで?」
「魔界法?」
「うん。うちも詳しくは知らんねんけどな、取り敢えず『アイツ殺して〜』って願いは簡単には叶えられへん」
「……悪魔なのに?」
「悪魔やのに」
何処かしっくりこない修一と、何故かがっかりしているクラン。
「ま、でもアレや。男ならではの願いがあるやろ? モテたいとか、手当たり次第にヤりまくりたいとか性奴隷が欲しいとか」
クランは顎に人差し指を当てながら目を細め、その形(なり)からは想像も出来ないような提案を言ってのける。
「え? そんなこと出来るのか?」
「当ったり前やんっ」
再びニヒヒッと笑ってみせたクランは
「代償の魂は寿命が来たら貰うことになっとるし、悪い話やないと思うけど?」
と畳み込む。
「……じゃあ、女を思い通りに出来る力をくれ」
修一は妄想を膨らませながらそう口にしてしまったのだった。
「やそうやで?」
そう言いながらクランが横へ視線を遣ると、突如、またしても幼女が姿を現した。
ピンクのショートボブのその幼女は、狼狽えたように若草色の瞳をうるうると震わせていた。
やはり下着姿のような恰好ではあるが、クランとは違って布地は白い。
履いてる靴も足首までのムートンブーツで、脚は白いニーハイソックスに覆われている。
しかし背後にはコウモリのような黒い羽があり、やはり黒い尻尾を生やしていた。