3.ドS彼氏とドS→ドM彼女-2
少し前屈みになって、眉を物憂げに寄せている。
若さには似合わない色気を醸し出していた。
そんな店員の彼のせいか、絶頂が近づいてきた。
「はぁん…!…あぁぁっ…あっあっあっ……!」
勝手に筋肉が硬直してミゾウチから胸が持ち上がる。
胸がふるふると震えて…。
「はぁうっ…!」
イク…!
イキそう…っ!
ピッ
「…えっ??」
間抜けな声が出た。
イケない不満が間抜けな声になって出た。
「おい、お前もうちょっと姿勢良くできないの?」
カルは店員に話しかけた。
「え…あ、いや別に…。
てかほっとけよ!」
目を反らして前屈みのまま彼は言った。
「立派な社会人になれないよ。」
この異様な状況で、お説教垂れるカルに憎さを通り越して呆れる。
でも店員の方は、一向に姿勢をたださない。
どうしてかしら??
ウズウズしながらも考える。
すると一瞬店員と目があった。
彼は肩をピクリとさせて私からまた目を反らした。
……S心に火をつけたいのかしら??
その前に取り合えずイカせてほしい!
もじもじしていると、カルは店員を壁に押し付けた。
「ちょやめろよ!
兄さ…ぁっ…ん!」
直立させられた店員は何故か、喘いだ。
下腹部を見ると、ぎんぎんになったアレが、ズボンを突き上げていた。
なるほど、だから前屈みだったんだ。
直立させられて、擦れて啼いたんだ。
カルはわかっていた癖に壁に押し付けたんだ。
そしてクスクス笑い、言った。
「お前、何、人の女に欲情してんの?」
「……っ!!
……………うるせぇよ…。」
小さく呟いて俯いた彼。
カチャカチャ…
「ちょ何すんだよ!?」
ベルトを外そうとするカルに店員は抵抗している。
だが、
「ぁっ……や…やめっ…!」
ベルトの揺れが、彼の敏感な所を刺激する。
カルは外そうとしているのではなく、ベルトを揺らして彼が喘ぐ姿を楽しんでいた。
「はっ……ぁっ…やめ…!」
パッとベルトに掛かった手を離してカルはまたニヤニヤと笑った。
あの笑みはさっきまで私に向けられていたものだった。
そう思うと、何だかモヤモヤする。
カルはそんな私の気持ちも知らないで、店員のズボンの上から浮き出たアレをツツッとなぞる。
「あっ……!
兄さ……! 俺らこんな仲じゃ…ぁぅ…っ!」
一つの関係が壊れた気がした。