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ゼビア・ズ・ストーリー
【ファンタジー 官能小説】

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カウントダウン-21

「………」

 ポカンとしたままのデレクシスの肩に飛び乗った鷲は顔を近づけて額を合わした。

「……あ……」

『待て!!喚ぶな!』

「ザック?」

 グロウの忠告は間に合わず、名前を喚ばれた鷲……ザックの体が光に包まれる。
 逃げる準備が出来ていた兵士達は大きく距離をとり、舌打ちしたグロウはキャラを掬い上げるようにして背中に乗せてその場から走った。

「えっえっえええぇぇ?!」

 どんどん大きくなる光にデレクシスは巻き込まれ、姿が見えなくなる。

『でかくなる可能性忘れてたろ……』

「はは……忘れてた……」

 光が治まった現場にはアビィよりは小さめ……せいぜい2人乗りぐらいの鷲が立っていた。

「ザック……ね。よろしく。オレはキアルリア、こっちは魔獣グロウだ」

『クェ』

 キャラがザックに話しかけると、ザックは嬉しそうに声をあげる。

「……た〜す〜け〜て〜……」

 ザックの足元からデレクシスの声がして、慌ててザックは足を退けた。

「……いたた……君が私についていた精霊かい?よろしく頼むよ」

 髪をかきあげながら話しかけるデレクシスの頭をザックはクチバシでつつく。

「いった!!何なんだい?!」

「親愛の証だろ……エンさん!デレク王子に色々教えてやって下さい」

 逃げていた兵士達と共に戻ってきたエンにキャラは声をかけた。

「了解〜よろしくねぇ〜ザック。僕はエン。そして火の精霊アビィだよ〜」

『ククッ』

『キュア』

 精霊組は任せて、キャラは各国の兵士の代表者と会議を始める。

 唯一、敵を目視しているピートの話によると、海が凍るスピードはかなり遅いようだ。

「さっきファンの数学者と話したんですが、ファンに上陸するまで早くても3日はかかるかと思われます」

「飛行タイプの魔物はいたか?」

「数は30ぐらい。陸上タイプは100ぐらいでしたね」

 ファンの兵士は300、ゼビアが10、サイラとカイザスからはそれぞれ30。
 ギリギリ戦える数だ。


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