都会の光-7
みなとみらいを散策する。
カメラ片手に。
大輔くんもカメラは好きで、2人で歩き回る。
日が沈むのは早いから、寒さが増す。
2人でお茶しながら満喫する。
イルミネーションの明かりも灯り始め、会場の方へ向かう。
時間が経つのは早い。
チケットを持って会場へ向かう。
一般の人と別に、テーブ席がある。
お菓子や飲み物が置いてある。
ステージ袖にはゴスペル隊みたいな人や、楽器を持った人達がいる。
テーブルにはテレビでみたことある綺麗な女の人もいる。
なんだかとっても場違いな気がしてくる。
大きなツリーはきっと高橋さんがデザインしたものだと思う。
まだイルミネーションは点灯してないけど、ものすごく綺麗。
係りの人にチケットを見せると、テーブルに案内された。
ドリンクをいただくと裏から片桐さんが出てきた。
「本日は急なお誘いだったのに、本当にありがとうございます。高橋も楽しみにしてました。さっき2人のお姿を確認して、安心してました。テーブル席にも一般の方はいらっしゃるので、楽しんでください。」
片桐さんが微笑む。
「こちらこそありがとうございます。ツリー、このままでも綺麗ですね!」
「高橋も喜びます。伝えておきますね!ゆりさんゆっくりしてくださいね。後で高橋が挨拶に参りますので。」
そう言うと片桐さんは裏に戻っていった。
大輔くんを見ると、複雑な面持ちで片桐さんを見ていた。
その顔が切なくなる。
なんだか辛くて、思いきって声をかけた。
「大輔くん。」
「何だ?」
「大輔くん、片桐さんと話さなくていいの?」
「突然なんだよ。」
大輔くんが笑いながら聞いてくる。
「お互い遠慮してるように見えるから。」
「ま、元カレとは話すこともないだろ。」
やっぱり…
大輔くんは笑ってるけど、何となく引っかかる。
「大輔くんはいいの?」
「あぁ、振られた人間だからな。もう終わったことだ。」
その時音楽が鳴り、司会の人が出てきた。