都会の光-6
高橋佑樹…
高橋佑樹…?
「えー!!」
高橋佑樹!
今よくテレビに出てる人。
有名なデザイナーだけど、最近はよくテレビで見かける人。
全然気づかなかった…。
ショック。
しかもかなり警戒してしまったし。
「いくか?折角もらったし。多分チケットがあるなら結構近くで見れるんじゃないか?」
「そうだね。ちょうど横浜の予定だったしね…」
そう言って歩き出す。
2人とも一瞬で気が抜けてしまった。
全く気づかなかったから、普通に話してしまった。
それに、大輔くんは片桐さんにもかなり驚いてた。
あの顔を思い出し、それが少し気になった。
ホテルに着くと、部屋に案内される。
凄い部屋。
広い部屋に大きなベット。
可愛い浴室。
そして『HAPPY BIRTHDAY』と書かれたカードと、シャンパンが用意されていた。
聡が予約してくれてたと思うと、少し切なくなる。
別れてまだ1ヶ月も経ってない。
でも思い悩むことは大分減った気がする。
カメラを片手に横浜へ。
大輔くんは仕事の出張でよく東京に来るらしく、迷いなく歩く。
田舎から来た私には、東京の駅はなかなか厄介だ。
周りは恋人がいっぱい。
腕をくんだり手をつないだり。
周りの人に、私と大輔君はどう見えているのだろう。
電車に乗り込み、隣の大輔くんを見る。
大輔くんは窓の外を見ている。
その顔を見て、何故かさっきの片桐さんを思い出してしまった。
何となく2人の雰囲気が違って、ちょっと気になってしまった。
多分、何となくだけど、そういう関係だったのかなって思った。
確証はない。
ただの勘。
ちょっと凹んでしまう。
横浜って電車に乗ってあっという間。
乗り換えて中華街へ向う。
門をくぐり、歩く。
寒いのにたくさんの人がいる。
人が多くて少し歩きにくい。
そのとき、大輔くんに腕をつかまれた。
「ぼーっとしてたらはぐれるぜ。はぐれんなよ。」
「ごめんごめん。」
色んなお店をみながら歩く。
中華街を満喫したあと、みなとみらいにむかう。