都会の光-5
「どうもご迷惑かけてすみません…」
片桐さんが大輔くんを見て止まった。
大輔くんもびっくりしてる。
「だ…里見くん?」
「久しぶりだな、片桐。」
ーえ?知り合い?
びっくりして、2人を見てしまう。
「福岡じゃなかったっけ?」
「ちょっと旅行でな。」
続く会話にユウキさんが入る。
「片桐、知り合いなの?」
「はい、昔の友人で…」
「どうもはじめまして、里見大輔と申します。」
大輔くんがユウキさんに挨拶する。
「高橋佑樹です。申し訳ないんですが、仕事がありますのでここで。あと、先ほどゆりさんから聞きましたが、横浜に行かれるとか。もしお時間ありましたら是非こちらに。19時からです。無理にではないので。」
そう言って片桐さんからカバンを受け取り、中から封筒を出す。
大輔くんに渡す。
「じゃあすみません、色々ありがとうございました。ゆりちゃんにはコレね。またね!」
私に小さな紙を渡すと歩き出す。
片桐さんも私たちに会釈をして歩き出す。
大輔くんを見ると、2人の後ろ姿を見ていた。
少し切なそうな顔で。
その顔が妙に気になってしまった。
ユウキさんから貰った紙を見る。
名刺だった。
高橋佑樹さん。
名前と携帯の電話番号が書いてあるだけ。
裏を見ると、手書きでアドレスが書いてあった。
「由梨、高橋さんと知り合いじゃないんだよ…な…?」
大輔くんが封筒を開きながら聞いてくる。
封筒の中を見ると言葉が止まった。
「大輔くん?」
「あー!!!」
「な、何?!」
いきなりの大輔くんの声にびっくりした。
「由梨、お前あんなに話してて気づかなかったの?」
大輔くんはそう言って私に封筒を渡してくる。
中を見ると『高橋佑樹 イルミネーションツリー点灯式』と書いてあった。