都会の光-2
肩には大輔くん。
大輔くんがここまでなるなんて珍しい。
無理させてしまったんじゃないかって不安になる。
ワックスかシャンプーか香水か。
爽やかな香りがする…
大輔くんっぽい。
幸い気流も安定していて飛行機も揺れない。
福岡からは2時間弱。
大輔くんは離陸の時の私のテンションの下がり具合に笑ってた。
あの揺れが大嫌い。
揺れてたら怖くてきっと大輔くんを起こしてると思う。
窓から外を眺める。
一面雲。
太陽が雲に反射して眩しい。
ホントに文明の利器ってすごい…
「由梨、悪い…」
大輔くんの声にハッとする。
私も窓から外を見てるつもりだったのに、うとうとしていたみたい。
大輔くんは隣で伸びをしている。
「大輔くん大丈夫?忙しいのにごめんね。」
「いや、俺こそすまん。すっきりしたわ。やっぱ着替えて正解!スーツじゃ寝れんわ。」
大輔くんは空港でスーツから私服に着替えた。
欠伸をしている大輔くんと目が合う。
「で、今日は横浜行くんだっけ?」
「うん、ホテルに荷物置いて行こうかと。大輔くんは行きたいとこある?お昼中華でも食べる?」
大輔くんはニヤリと笑う。
「いいねー!中華!俺は特にはないな。宿は東京だろ?夜は決めてんのか?」
「いや、何も。」
「食べたいものとかは?」
「うーん…美味しいものならOKかな?」
私の返答に、大輔くんが苦笑いになる。
「お前さ、誰も不味いものは食いたくねーよ…俺の知り合いがいる店もあるけど、ま、おいおい考えるか。」
「よろしくお願いしまーす!」
話しているとシートベルトランプがつく。
強張る私の顔を見て大輔くんが笑ってた。