ある雀師の散々な一手-4
僕は小さくなっていく信長の背中を見て、裸で怯えていた彼を思い出し、思わず吹き出してしまった。
信長の麻雀が“猿”以下だったとはーーーー。
あの状況……。上家の家康ほどの素人でも、下家の秀吉の捨て牌を見て二索付近が危険と察していた。
なのに信長は冷静さを失い“僕の声”を、噂に聞く<神の声>と思い込んで、素直に一索を捨てた。
何が〈神の声〉だ。笑わせるよ、まったく……。神に頼るようでは信長も焼きが回ったもんだな。
いや、まてよ……。ひょっとしてこれは僕の時代がくるという前触れか? 信長をも陥れるこの器。やってやれない事もないはずだ。
光秀は将来の自分を想像しニヤリと笑った。
ーーーーその後
信長を裏切った光秀は麻雀界で名を揚げるのだが、それも三日天下で終わる事となるーーーー。
もちろん光秀を倒すのは……。
……きっと聡明なあなたには言う必要はないのでしょう。
完
参考までに
『織田信長』
鳴かぬなら
殺してしまえ
ホトトギス
『豊臣秀吉』
鳴かぬなら
鳴かせてみせよう
ホトトギス
『徳川家康』
鳴かぬなら
鳴くまでまとう
ホトトギス
彼らの性格を詠んだ俳句です。
いろいろと間違ってたらスミマセン