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淫欲教団
【鬼畜 官能小説】

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第一回「鬼畜の祭壇」-3

 青木香代子。初めてこの教団を訪れてから、今日で3回目。加藤たちともすっかり打ち解け、軽快な笑みを浮かべながら、お互いの身の上話に興じている。無論、加藤の語る話は嘘八百であるが…。
 「何?香代子さんって、あの高校出たの?」
 「そうなんですよ。あそこって、地味な学校じゃないですか。」
 「いやいや、周りから見たら、結構かわいい子が多いって評判だったよ。」
 香代子は加藤との会話を楽しみつつ、背後に迫る革靴の音に気づいた。
 「青木さん、こんにちは。」
 「あっ!会長さん。」
 香代子はスッっと立ち上がり、淑やかに頭を下げる。その姿に柔和な笑みを与えながら、初老の男は香代子の肩を抱き寄せた。
 「元気だった?青木さん。」
 「ええ、おかげさまで…ようやく問題を冷静に直視できるようになった気がします。」
 会長の腕の中で、小児のような無邪気な笑顔を見せる香代子。
 「じゃあ、こっちの部屋で話をしようじゃないか…」
 会長は左手で教会の奥を示しながら、もう片方は香代子の腰を抱き、緩やかに、そして力強く、その女体を誘った…。

 「青木さん…旦那が借金作っちゃったんだって?…いくら位なの?」
 「ええ…全部は分からないんですが…ざっと見て800万ほど…」
 「サラ金から?」
 「それもそうなんですが…他にもヤミ金から借りてるみたいなんです…」
 お互いの額を寄せ合って話すような狭い応接室の中で、深刻な話を語り合う三人。申し訳程度に冷気を送る空調機をコケにするように照り付ける真夏の陽光が、香代子の乳房から腰周りをジリジリと責める。
 「サラ金はともかく、ヤミ金はマズいな…早いところ、片付けた方がいい。」
 「…片付けられるんでしょうか…」
 怯えた表情を湛える香代子が会長を見つめる。
 「うん、まあ、方法がないわけじゃないが…そのヤミ金って、どんな奴だか分かる?」
 「ええ、確かの五反田にある木下とかいう…」
 「えっ?木下から借りちゃったの?」
 それまでただ耳を傾けていた加藤が、弾かれたように言葉は発した。
 「何だ?加藤君、知ってるの?その金貸し…」
 「あっ、はい。結構ヤバい業者ですよ…裏でヤクザとつるんで、借金の形に女を風俗に売り飛ばすっていう…」
 「えっ…」
 ピクッ、っと身を震わせ、加藤の恐ろしい話に反応する香代子。
 「そんな業者がまだいるのか?」
 「ええ、ああいう連中には法律も何もあったもんじゃないそうですから…ほら、半年前に相談にいらっしゃった斉藤さんも…」
 「…そ、その方は、どうされたんですか?」
 「ああ、その方は…」
 加藤が口を開いた途端、会長がサッと手を挙げ、その言葉を遮った。
 「その件は私が話そう。青木さんね。その斉藤さんも貴女と同じように、この教会に救いを求めて来たんだよ。私もその木下とかいう名前は聞いてなかったんだが、やはり旦那の借金がらみで苦労されてるってことで、私の知人に協力してもらって、何とか債務整理したんだよ。」
 会長は、一旦グイッと姿勢を正した後、香代子の眼を見つめながら、微かな光明を与えた。
 「せ、先生方…借金のことも協力いただけるんですか?」
 ハッと表情を変えた香代子は、大きく見開いた視線を禿げた初老の男に捧げる…
 「まあ、我々は金融業者じゃないんで、その辺に詳しい人を紹介する程度なんだけどね…」
 「どう?香代子さん。この際、会長先生におすがりしてみては…」
 香代子の隣に座る加藤が、香代子のウエストをそっと抱き、その言葉と共にグイッと突き上げた。
 香代子は、一瞬クッと顔を下げた後に、身を微かに震わせながら、潤んだ瞳を初老の視線に絡めた。
 「せ、先生。お願いしますっ。お力をお貸し下さいっ!」
 「分かったよ、青木さん。出来る限りのことはさせてもらうよ。」
 香代子のか細い首筋に手をやりながら、初老は自らの禿げた額を香代子に寄せた。
 「よかったね。香代子さん。私達は仲間を守るからね…」
 加藤は優しい言葉を香代子の耳元へ浴びせ、震える女の腰を抱き寄せた。

 加藤たちが香代子を励ました…否、たらし込めた時から、四時間は経ったであろうか。
 真夏の陽は傾き、虫の音と共に教会に静寂が広がっている。
 「会長室」には、会長と加藤がソファに深々と腰を沈めていた。
 「あの香代子って女、チョロいなぁ。女って、皆あんなもんかねぇ。」
 「やっぱ、追い詰められた女は甘い言葉で、いくらでも転びますよ…」
 「それに…ヘッヘッヘ、まさか木下が俺達とグルとは…分からねぇわな。」
 「本当に…サラ金のブラックリストの中で、モノになりそうな女が付いてる債権だけ買い取るヤミ金…その中で上玉の女をウチの教団が債権ごと買い取るって…会長、いい女体市場を見つけたもんっすね。」
 「全くだ。まあ、あの女どもだって、あのままヤミ金に追われてたら、自殺に追い込まれる奴だって多いんだぜ。自殺せずに済む分、感謝してもらわねえと…」
 「自殺せずにって…うちの教団で散々な目にあう方が辛いって感じもありますけどねぇ…儀式と称した残虐SMショーとか、キ●ガイ外科医の玩具にされたり…」
 「バカ野郎、別に玩具にしてる訳じゃねえぞ。儀式じゃタンマリとカネが集まるし、連日連夜のセックス責めで孕んでくれれば、胎児は中国マフィアが高く買ってくれる…ウチの神様への立派な“お勤め”だよ。まあ当然、その分の投資はしてる訳だし…」
 「それに、ガキを孕めなくなって、儀式でボロボロになった女は生きながら切り刻まれて、内臓売り飛ばされるっていう…ヒッヒッ…会長、極悪っすね〜」
 「だって、内蔵を欲しいって金持ちが大勢いるんだからさ…これも人助けだよ。女どもだってさ、内臓だけでも金持ちになって生き永らえるんだから…」


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