いつも一緒に-8
「世奈ちゃん、今回の山田君が暴走した理由わかりましたよ」
「本当か!?」
「案の定、テストでの能力を使い続けて暴走したみたいです」
「そうか、理由はわかったがそれだと攻撃に関するヒントにならんな…」
「それなら人間の急所といえる、いえ男性の急所といえるあそこを攻撃してみては?」
…
「…スー」
「はい?」
「お前はなんて変なところの攻撃対象を考えるんだ!」
「でも、男性のそこって鍛えようがないって聞いたことがあるので」
…鍛えようがない場所として内臓、眼球、股間などがある。
内臓攻撃は私はできない。
ただの木刀でできる人がいたらそれのほうがすごいし。
眼球を攻撃しようにも首より上はもう警戒をしているためあたりずらい。
残るは考えれる場所はやはりそこだけか…
「スー、相手の攻撃を読んで私に教えてくれ」
「すぐに、ストレートパンチきます」
急な返答で私は少し止まったが体が先によけていた。
「次に右蹴りとそれにあわせたかかと落とし」
連携のような攻撃をかわし隙をうかがっていた。
「左手刀のあとに隙ができます!」
指示通り左手刀をよけて全力の股間に切り上げ技をくらわせた。
山田は股間に攻撃をくらってなんかキーンっていう音がでそうなほどの苦痛の顔をした。
倒れて地面をバンバンと叩いて数秒後意識をうしなった。
暴走した人は気絶、または最悪死亡すると体が元に戻る。
そのためやむを得ずクラスメートを傷をつける行動にでた。
「ふぅ…なんとかなったー」
私は腰を落として戦いが終わったことに安堵した。
…暴走したとはいえ男性の股間を攻撃して倒すなんて我ながら悲しい勝利だったなと思える。
「世奈ちゃん、勝ったですよ」
スーが私の首に飛びつき抱きしめた。
「ちょ、なに抱きついてるのよ!」
「…怖かったですよー、ひっく…」
そうだった。
元々は友達を失うのが一番怖いと知っているスーだからこんな戦いでも怖いと感じてしまう。
「…大丈夫、スーがいれば私は負けないし、絶対に怖い思いはさせないから」
「本当ですか?」
「約束、私はスーの目の前で戦いになろうとも負けたところを見せないと」
「…約束ですよ」
二人で小指と小指を結んだ。
「ゆーびきりげんまんうそついたらはりせんぼんのーます、ゆびきった」
私たちはスーが首に抱きついたまま両者とも微笑みだした。
「俺らのクラスでこれ以上暴走するな…って」
クラスの人たちがそれぞれ武器になりそうな物を持って戻ってきて私たち二人を見た。
「お前らってそんな関係だったのか…」
男性も女性も手にもっている物を落として顔を真っ赤にして何事もなかったかのようにまた教室の外にでていこうとした。