上級悪魔と下級契約者―俺達は天使じゃない。だから悪魔なんすよ、な、似非戦闘物語―-3
「人間ごときが…。そこまで…」
アン、絶句する。
「奴等を…いや、奴を人間だと思わない方が良い」
楓、そう言うと出口に向かい歩き始める。
教室にて
「で、結局どうなったんだ?」
「わざわざ俺に聞かんでもわかってんだろ、探偵部」
「まぁ…な」
徳はそう言うと、報告書を見つめる。
「もう、調べることもないな…」
「これで全て、調査終了か」
「後は、そっちで記憶を戻す方法を見つけることだな」
徳、そう言うと教室から去る。
「話は終わった?」
「何だ、用事があるなら早く言えば良かっただろう」
「私、あなたの家を出て行こうと思ってるの」
「そうか、じゃね」
「あれ〜、止めるとか、理由を聞くとかそういう展開無しなの?」
「…興味もない」
楓、吐き捨てる様に言う。
「…天田さんの家にお世話になることになったんだけど…」
真夜、呟く。
「家から出て行くなんて言うなよ。俺がお前の責任をとるって言ったじゃないか!」
楓、血相を変える。
「なに、その反応?」
真夜、たじろぐ。
「とにかく、裕美の家にだけは行かん方が―」
「私の家に何か不都合でもあるの〜?」
楓の後ろから不思議そうに声をかける裕美。
「いや、お前の家云々の前にお前の家族に問題が―」
「ど〜いう事?」裕美、なにも分かっていない表情。
「…お前も含めた家族に問題がある」
楓、そう言うとため息を一つ。
「まぁ、出て行ってくれるならこんな喜ばしいことはない。これで、悪魔退治と称して我が家を壊され、ご近所様から痛い目で見られることも無くなるわけだからな」
「そうね、ただ、心残りが一つあるの…」
真夜、そういうと暗い表情を見せる。
「…なんだ、心残りって?」
「あなたの作るおいしいご飯が食べられなくなるって思うと……。きっとあなたは良いお嫁さんになれるわ」
楓、真夜を叩き倒した。
ちなみに、この3日後に真夜の記憶は戻ることとなる。
理由は様々あるのだが、大きな理由の一つとして『天災医師天田平七』の治療の成果があげられるとかなんとか。