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アルコール・トリック
【その他 官能小説】

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アルコール・トリック-1

「ちょっと庄野さん!飲み過ぎですよ?」
セリは赤い顔してフラフラしている庄野を見かねて言った。
「だ〜いじょーぶ!志太さんよりマシだからさぁ」
当の庄野はヘラヘラ笑いながら、セリの心配など気にかけていない。確かに志太に至っては、ビールジョッキ一杯飲んだだけでぐぅぐぅ寝ているのだが。
「比べる相手が違うでしょう?吉岡さんとかは、まだしっかりしてるじゃないですか!」
庄野がちらりと吉岡を見ると、吉岡はジョッキ七杯飲んでもしっかりしている。
「んー。でもボク十杯飲んだし…」
そんなことを言っている庄野に、セリはため息をついて呟いた。
「私が言いたいのは“節度を持て”って事なんだけどな…」
それを聞いた庄野はむっとして
「セリちゃんなんかコークハイ十杯以上飲んだくせに…」
とグチを漏らした。皆はそれを聞い大いにて笑った。
「さて、酔いつぶれる奴らも出てきたし、そろそろお開きにするか!」
滝上が立ち上がりそう告げると、皆近くで寝ている者や立てないものを担いだり引きずったりして店を出た。
「女の子は夜遅いから気を付けるんだぞ!」
何人かいる女の子に滝上が声をかけると、その中の一人が
「じゃあ送って下さいよ、滝上サ〜ン!」
と滝上の腕をとった。
「麻琴さん、大分酔ってますね?」
セリがその人に声をかけると、にこにこしながら
「あったりめぇよー!」
と叫んだ。顔の赤さからして相当酔っているだろう。セリは大丈夫かと心配していると
「そーいやいつものウルサい方々はどーしたの?」
と不意に聞かれた。
セリは苦笑いをし
「志太さんは寝てます。」
と吉岡に担がれている志太を見やった。いつもならウルサく『俺がセリを送る!』といっているのだが。
「そしてもう一人はココです」
そのもう一人、庄野はセリの肩でフラフラしていた。
「情けないわねぇ!全く…」
麻琴は呆れつつ、タクシーを止めて
「じゃ、またね!電話すっから」
と帰ってしまった。セリも仕方なくタクシーを止め、庄野を押し込み自分も乗り込んだ。
「お嬢さん、何処までです?」
何気に若いドライバーが、尋ねる。
「えーと…庄野さんの家って何処ですか?」
隣の庄野に聞いてみたが返事がない。見るとすぅすぅと可愛らしい寝息を立てて寝てしまっていた。セリはフッと笑いながらため息をつくと
「八王子までお願いします」
と言った。ドライバーは景気よく
「あいよっ!」
と答えた。
八王子のセリのデザイナーズマンションにつくと、仕方なく庄野も引っ張りだし自分の部屋へ引きずっていく。ガチャガチャ、バタン!
元気よくドアを開けると、庄野を玄関の入り口から廊下に座らせた。
「庄野さん?庄野さ〜ん?」
セリは庄野の頬をぺちぺちと叩き呼びかけた。しかし庄野は寝息を立てたまま起きる様子がない。
「仕方ないな…」
セリはそう呟くと、庄野をベッドルームに引きずっていき、ベッドにポフッと寝かせた。
「スーツのまま寝かせると皺になるしなぁ…」
それはいただけないと思い、セリは自分のウォークインクローゼットから、黒のスウェットを取り出した。これなら男物で結構大きいから、庄野でも着れるだろうと思ったのだ。そのスウェットは、いつもはセリの部屋着として活躍している。
「脱がしちゃいますよぉ〜?」
そうことわってから、庄野のスーツを脱がせにかかった。まずは上着を剥ぎ、次にネクタイを解いた。Yシャツのボタンをプチプチと取ると、胸がはだけた。
そのとき
「う…うん…セリちゃん…何してんの?ボクの服脱がして…」
むくりと庄野が起きた。
「あっ、庄野さん。起きたんでしたら自分で着替えて下さい」
セリはめんどくさいなーと思っていたので、庄野にスウェットを押しつけた。しかし庄野はスウェットを払いのけ、ズイっとセリに迫ってきた。


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