運命の出会い-6
尿道口から飛び出す黄金色の生暖かい液体。目に、鼻に、口にどんどん流れ込んでくる。美貴は呼吸困難に陥って思わず咳き込んだ。
「全部飲み干すのよ!」
鋭く叱咤され、美貴は涙を流しながら尿を飲み続けた。
7.
「遅れてすみませんでした」
控え室で待っていた剣道部顧問・沖直見の前にようやく玲と美貴が現れた。
「どこ行ってたの? 出番はもうすぐよ!」
2人ともどこか上気した顔。練習でもしていたのか?
しかし美貴の口元にちぢれ毛が張りついているのを直見は見逃さなかった。
(…もしや?)
直見に問い詰める勇気はなかった。
玲は今や剣道部のスーパースター。彼女さえいれば剣道部は安泰なのだ。
「準備できました!」
2年生の勝田八千代が玲に声をかけた。10人の2年生が稽古着姿で木刀を持っている。玲は振り返るとこう言った。
「今日の演舞ですが、防具なしに変更します」
袴の股立ちは限界まで高くとらせた。太ももを付け根まで見せつける。ノーブラで乳首を厚い稽古着で擦れさせながらの演舞とする。下着はもちろんふんどしだ。
並んだ2年生に対して玲は入念にチェックを始めた。
袴の中に手を入れ、ふんどしの締め込み具合を確認していく。
中には玲の指が挿入されただけでびくっと震えて達してしまう者もいた。
「剣道部さーん。次、出番です」
進行係の生徒が声をかけた。
「みんな、私のためにがんばるのよ!」
「はいっ!!」
体育館に並べられたパイプ椅子に座ってぺちゃくちゃとお喋りに興じていた1年生達のざわめきがぴたりと止んだ。壇上に立つ美貴の姿にはそれほどのインパクトがあったのだ。
彼女の後ろには木刀をたずさえた2年生達がずらりと並んで控えている。
美貴の話は感動的だった。
まず剣道部創立の経緯から始め、現在日本の置かれている厳しい状況、今こそ日本人に武士道精神が必要であること。そしてそれには男女の区別がないこと。
時々、美貴が顔を赤らめたり言いよどんだりするのは、ふんどしのきつい食い込みとローターの振動のせいだとは誰も気づかなかった。ただ1人、玲を除いては…。
「私達の日頃の鍛錬の成果をお見せしましょう。2年生、前へ!」
「はいっ!!」
2年生達が美貴と入れ代わり前に出ると裂帛の気合と共に演舞を始めた。
もちろん説明会は大成功。受付に置いてあるノートは入部希望者の名前で一杯になった。そしてその中には愛花とつかさの名前もあった。
説明会の後片付けを指示しながら、顧問の沖直見は悩んでいた。
あの演舞はどこか常軌を逸していた。
いつもなら胴と垂れをつけて行うはずの演舞をあんな姿で行うなんて…。
2年生達は袴を上げてほとんど脚の付け根まで見せていた。胸元がはだけるとブラジャーをつけていないのもわかった。
皆、どこか上ずった目で顔を赤らめながら木刀を振るっていた。
結果は大成功だったからいいようなものの、あれではまるでお色気ショーだ!
それに演舞を見つめる船橋美貴の様子も変だった。
わからないように上手く隠してはいたが、股間を演壇の角にぐりぐり押し付けて、腰を動かしていた。
説明会直前まで橘玲と何処かに行っていたようだったし、船橋さんの口元についていた、あのちぢれ毛。2人でレズプレイを楽しんだに違いない。
剣道部は今が一番大事な時なのに…。この学校は昔から女生徒同士の恋愛を「S」と呼び、半ば公のものになっている。だが、それにしても行きすぎだ。
『あの方』からは玲を注意するな、彼女の好きにやらせるようにと厳命されているとはいえ、このままではどんどんエスカレートしていくんじゃないかしら?
直見は不安で胸が一杯になった。
客席の後ろで立っていた直見は気づいていなかったが、破廉恥な演舞と壇上で自分を慰める美貴を舞台袖から見つめながら、玲はオナニーをしていた。
まくり上げたスカートを自らの口にくわえ、両手で引っぱり上げて極細の赤ふんを淫裂に食い込ませながら、本気汁を周囲に飛び散らせていた。後で通りかかった照明係の少女がうっかり足をすべらせるほどの量だった。
8.
その日の夜、夕食後のティータイムに愛花は母・志津にこう切り出した。
「ねぇママ…私、剣道部に入ろうと思うの」
ハーブティーを注ぐ志津の手が一瞬止まった。
「剣道部って練習が厳しいんでしょ? 私に続けられるかな?」
志津は一瞬びくっとした。
「あなたなら大丈夫。練習は厳しいけれど絶対にへこたれちゃ駄目。それを乗り越えれば必ず報われる時が来るわ。一生忘れられない思い出になるから」
そう言って励ましたが、その声は心なしか震えていた。
「うん。わかった」
愛花はにっこりして答えた。
お風呂上りの愛花はパジャマ姿で布団にくるまり、今日の出来事を思い出していた。
剣道部の説明会は素敵だった! お話の内容は立派で感動的だったし、船橋先輩や2年生の人もみんなキラキラ輝いてた。
胸元と太もも全開のセクシーなスタイルでも恥ずかしがらずに木刀を振るう様子は凛々しくて色っぽくて、女の私でもぼうっとなってしまった。
船橋先輩は少し怖い人だと思ったけど、先輩が緊張しているのがわかって私までドキドキした。思わず「がんばって!」と声をかけたくなったほど!
そして演舞を見つめる姿が、切なそうで色っぽくて、なんだか小刻みに震えていたのはきっと感動していたからね!
つかさも私と一緒にぽわーんとしていた…。説明会が終わった後、思わずノートに名前を書いてしまった。
親友のつかさもいるし、2人ならきっとがんばれるわ! ママも応援してくれる。
無邪気で純粋な愛花は、これから自分の身に起きることも知らず、いつしか眠りに落ちていった。