異界幻想ゼヴ・クルルファータ-11
「今はない。心配のしすぎだ」
「ならいいんだけど……」
深花は口を開け、勃起の先端に吸い付いた。
有機的な味のする液体を、ちゅるりと啜る。
上目でジュリアスを見上げれば、先を促すように微笑まれた。
笑い返した深花は、そのまま肉棒を食んでいく。
限界まで咥えてから唇をすぼめ、頭を上下させればジュリアスがいかにも気持ちよさそうな呻き声を漏らした。
百戦錬磨の男が自分のつたない舌技でも感じてくれているのが嬉しくて、深花は肉茎を一生懸命吸い立てる。
「っう……はぁ……!」
心地いい吸引に声とため息を漏らしながら、ジュリアスは快感を貪った。
何度も上下していた頭がゆっくり減速し、亀頭を舐め回し始める。
先端から滲み溢れた露を強く啜られ、肉棒は震えてさらに多量の先走りを滲ませた。
フラウから仕込まれただけあり、深花の技術は申し分ない。
惚れた女が卑猥に舐めしゃぶっているというスパイスが効いて、その快感をさらに増大させる。
「はむ……ん……んっ……」
目を細め、愛おしそうに勃起を咥える深花の様子にジュリアスは微笑む。
女のミルカにとって、男に奉仕するのは義務から外れた行いである。
要は純粋なサービスなので、こちらもサービスしてやらないと不公平だなと思ったのだ。
「深花。こっちに足向けな」
「ん?」
声をかけると不審そうな顔をしたが、言われるままに体の向きを変えた。
程よい厚みと丸みの下半身が、視界に晒される。
あれだけしごいたのに鍛えられた感じは全くなく、女らしいまろやかさが満載である。
「ん……!」
試しに尻たぶを掴んでみれば、柔らかい感触があるばかりで筋肉が感じられない。
「ん!?」
秘所に顔を近づけると吐息がかかるのが分かったようで、肉棒に吸いついていた深花が声を上げた。
赤く熟した花びらを舌で割ると、とろりと蜜が溢れ出す。
ずいぶん溜め込んでいたようで、開けた途端にこぼれた愛液が顎を伝ってこぼれ落ちた。
女の甘く淫靡な匂いと味を堪能しつつ、ジュリアスは舌を使う。
「ん……ふぐ……んん……げほっ!」
敏感な個所に加えられる快感に鼻から声を漏らし、深花は咥えた肉棒を吐き出した。
せわしなく息をつきながらも、口の代わりに手で勃起を扱き続けるのは止めない。
「ひぅっ……!」
不規則に収縮する蜜壺の中に舌が侵入すると、深花はふるふると首を振ってそれを拒否する仕草を見せた。
先ほどたっぷり恥ずかしい目に遭わされる事になった件のポイントを舌先で刺激すると、もう嫌だと言わんばかりに体が前に逃げる。
別にこうなると予期していたわけではなかったが尻たぶをがっちり掴んでいたので、ジュリアスにとってはちょっと深花が揺れたくらいにしか感じなかった。
「あ……」
肉棒への刺激がおろそかになってきたので、ジュリアスは深花の下から抜け出した。
義務としての行為は既に済み、今は純粋にお楽しみとしての時間である。
どの姿勢で深花を抱こうかと、彼は思案を巡らせた。
気絶するくらいに羞恥心を煽ってしまった事実を鑑み、今日はオーソドックスに済ませる事にする。
これ以上羞恥心を刺激すると、深花に嫌われてしまいそうだ。
「きゃっ」
体を仰向けにひっくり返され、深花は悲鳴を上げた。
口許を拭ってから、唇を合わせる。
「んっ……!」
腰を足の間に割り込ませ、一息に深花を貫いた。
「ーーーっ!」
深花の全身に、痙攣が走る。
「っは……!」
多少無理に体を開いたので、深花から反応があるまで動かずに待つ。
目を閉じて荒い息をついていた深花は、しばらくしてうっすらまぶたを開けた。
いきなり貫かれた事への腹いせか、ジュリアスの下唇に噛み付く。
もちろん流血するほどの強さではないし痛みは全くないが、それでも反省する事しきりである。