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<12月>
【OL/お姉さん 官能小説】

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クリスマス-3

結局連休最終日は、しゅーちゃんと亮太くんと3人でデート。とりあえずしゅーちゃんのお腹はハンバーガーで満たして、私と亮太くんは小さなサイズのポテトを半分こ。すぐ近くにある水族館へ向かった。近くにあるのに初めて来たのは私だけで、しゅーちゃんも亮太くんも常連らしく、いろんなことを教えてくれた。ここでも亮太くんのおかげで、今まで見たことのないしゅーちゃんの表情をたくさん見ることができた。しゅーちゃんはきっといいお父さんになるんだろうな。

水族館で散々はしゃいだあとは、亮太くんのリクエストで同じ敷地内にある観覧車に乗った。夕陽がとてもキレイ。乗って動き始めた頃には窓にしがみつくように外を見ていた亮太くんだったけれど、さすがに疲れたのかてっぺんが近づいてくるとうとうとしだした。

「亮太、もうすぐてっぺんだぞ?」

しゅーちゃんが見かねて声をかけたけれど、私にもたれるように眠ってしまった。

「コイツなりにいろいろ神経つかってたんだろうな」

「そうだね…でもお姉さんたち、仲直りしてくれてよかった」

「チカのおかげだよ」

「へ?」

「チカがあの時一番亮太のこと考えてた」

「そんなことないよ。私ね、亮太くんと同じ頃、母が出てったの。だからきっと亮太くんに感情移入しすぎちゃったのかも。勝手なことしてごめんなさい」

「いや。ねーちゃんたちもオレもチカに感謝してる。そういう辛い思いしてたんだな、チカも。チカのことまた知れたのは亮太のおかげだな」

「でも楽しかった。亮太くん、すごくイイコなんだもん。今度3人で動物園行こうって。しゅーちゃんにお弁当作ってもらうって言ってた」

「さっき2人でトイレ行った時も、興奮気味に動物園行きたいって言ってた。チカのこと、相当気に入ったんだな。亮太に取られないようにしなきゃな」

「もう、しゅーちゃんってば」

「…いつかさ」

ふとまっすぐな目でしゅーちゃんが私を見つめる。

「チカと亮太とオレと、オレらの子供とまた観覧車乗りたいな」

「え…?」

「ダメか?」

「ううん…今日ね、同じこと考えてたの、水族館で。しゅーちゃんと亮太くんと並んで手繋いで歩いてる時とか、亮太くん肩車してるしゅーちゃん見てる時とか。しゅーちゃんはきっといいパパになるんだろうなって。で、その時には私もそこにいたいな、って」

「チカ…。キスしたい」

「ダメ。亮太くん目覚ましたら大変だもん」

「でもすごくうれしい。今すぐチカのこと抱きしめたい」

「…ありがと」

キスの代わりに、手をつなぐ。ゆっくりとゴンドラは地上に戻り、眠ってしまった亮太君をしゅーちゃんが抱えて駐車場に戻り、しゅーちゃんのマンションに戻ると、陽子さんと崇さんもちょうど戻ってきたところだった。

「チカちゃん、本当に今日はありがとう」

「いえ、私は何も…あの、また亮太くんと遊ばせてもらえますか?」

「亮太もきっと喜ぶと思いますよ」

朝会った時よりも、崇さんも陽子さんも柔らかい表情をしている気がする。

「ねぇ、今度はうちにも来て。修平と一緒じゃなくてもチカちゃん一人だけでもウチは大歓迎だから。もし修平に問題があったらいつでも連絡ちょうだい?彼氏の姉としてじゃなくて、チカちゃんとはお友達になりたいの」

「ねーちゃん、その言い方はひどくない?」

「あ、ありがとうございます」

「じゃぁ連絡先交換しましょ?」

「はい!」

「おいおい、ねーちゃんもチカもオレはシカトかよ?」

赤外線で交換し合う様子をしゅーちゃんと崇さんが苦笑いしてる。

「せっかくのクリスマスなのに、突然子守させちゃって本当に申し訳なかったね。本当に今度ウチに来て。今日のお礼させてください」

「いえ、私もすごく楽しかったですから。亮太くん、目覚めたら楽しかったって言ってたって伝えてもらえますか?」

「もちろんよ。じゃぁ、近いうちに遊びに来てね、絶対よ。修平、チカちゃん泣かせたら絶対に許さないからね」

「はいはい。ねーちゃんたちももう亮太困らせんなよ」

「わかってるわよ」

「じゃぁ、本当にありがとう。修平くんもいつもすまない」

「気にしないでくださいよ。ふつつかな姉ですがこれからもよろしくお願いします」

「じゃぁ、チカちゃんまたね」

「はい」

こうして嵐のようにやってきたしゅーちゃんのお姉さん一家は帰っていった。二人だけになったシューちゃんの部屋には静寂が訪れる。


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