クリスマスイブ-3
「すごいビショビショ。このまま指だけでも潮吹いちゃう？」
「や、やだ…」
「なんでヤなの？気持ちよくない？」
「だって汚しちゃうからっ。んっ、だ、ダメっ」
「ダメなことなんて何もないから。シーツの替えなんていくらでもあるから気持ちよくなって」
「いやぁ、イクっ。ダメっ」
「チカのダメはダメじゃないもんな。ほら。オレだけに見せて、チカ。お願い」
そんな目でみつめるのは反則だよ。さっき感じた違和感などとうに忘れて私は簡単に上り詰めてまた意識を失った。
「ん…ひゃぁ…しゅーちゃん…」
気がついた次の瞬間にはしゅーちゃんの硬いものが私の中に入ってきていた。
「ごめん、チカ。チカが回復するの待とうと思ったんだけど…チカん中に入ってたくて」
優しい腰使い。なのに繋がった部分からは卑猥な音がする。激しく上り詰めたばかりの身体には優しい動きでも刺激が強すぎる。
「大事にするって言ったばかりなのに、ごめん」
そうしゅーちゃんが繋がったまま優しく髪を撫でてくれる。私を欲してくれることがものすごく嬉しくて、身体は喜びの悲鳴をあげているのに、心は満たされる。そんなしゅーちゃんの思いに応えたくてしゅーちゃんが与えてくれる快楽に身を委ね、薄い膜越しに私の中でしゅーちゃんが果てるまでの間に何度も何度も私はイッてしまった。手際よく処理を済ますと、喘ぎ続けてカラカラになってしまった私の喉に口移しで水分を与えてくれる。
「しゅーちゃんのキス、エロすぎ」
「なんじゃそりゃ？」
一息ついて出た感想がソレってどうなんだろうと思いながらも、正直な感想。言われた本人もきょとんとした顔をしてる。
「あのね、しゅーちゃんにキスされると、しゅーちゃんが欲しくて仕方なくなっちゃうの。なんか媚薬とかってこーゆーことなのかなって。ヘンかな？」
「いや、それちょっとうれしいかも。でもオレももう若くないから一晩にそう何度もとかはできねーぞ」
「や、やだっ。足らないとかそーゆーことじゃなくって」
苦笑いするしゅーちゃんの胸に抱きついてきっと真っ赤になってる顔を隠す。
「わかってるよ。ありがとな。でもこのビショビショシーツじゃ寝づらいから替えますか？」
「だからダメって言ったのにー」
「ほら、お姫様、一回ベッドから降りてくださいな。風呂入っておいで。シャワーだけだと風邪ひくから」
ぽんぽん、と頭を撫でてくれる。言われた通りにベッドから降りて、しゅーちゃんの案内でバスルームへ。
「シャンプーとか好みじゃないかもしれないけど、タオルとか好きなように使って。そのうち、チカのお気に入りのものとか持ってきて置いていけば？」
それって…なんかすごくくすぐったい気分。改めて彼女だって認めてもらってるような。またお泊りにきてもいいってことだよね？身体を洗って、泡をシャワーで洗い流すと、しゅーちゃんがつけてくれたしるしが鏡にいくつも映ってることに気づく。またちょっと幸せな気分。乳白色の入浴剤が入った湯船に身体を沈めた頃、ドアが開いてしゅーちゃんが入ってきたのにはびっくりしたけど。
「なんで今更びっくりするかな？」
「だ、だって」
「チカはすごくエロくて積極的なところもあるのに、純情っていうか男慣れしてないところもあるのな」
…それは褒められてるんだろうか？呆れられてるんだろうか。確かにあんまり経験はない。っていうかしゅーちゃんと、あとは嫌な記憶しかない。
「でもチカのそういうギャップ、オレ的にはすごいツボ」
身体を流して湯船に入ってきたしゅーちゃんに抱きしめられる。私もしゅーちゃんのそういうところ、ちょっとツボだったりするんだよ？職場ではすごいクールなイメージなのに、実はすごく優しいところとか、実はすごくエッチでちょっとＳなところとか。
「あんまりのぼせないうちに出るか？」
「うん。ねぇ、しゅーちゃん？」
「何？」
「また髪拭いてくれる？」
「あぁ。お安いご用で。髪と言わず身体中拭いて差し上げますよ？」
「んもうっ、エッチ！」
じゃれあいながら身体を拭いて、しゅーちゃんのパジャマの上着を借りる。上着だけなのに私が着るとワンピース状態。ベッドルームに戻るとさっきとは違うシーツが綺麗に敷かれていてふんわり洗いたての匂いがするタオルで髪を拭いてくれた。
「明日で休み終わっちゃうな。明後日から仕事か」
そうだ。職場でどんな顔してしゅーちゃんに会えばいいんだろ？間違ってもしゅーちゃん、なんて呼ばないようにしないと。
「チカ、って呼びそうで怖いな」
「確実に冷やかされますよ。ソレ」
「オレ所長にバレたら飛ばされんな、きっと。無事に送り届けるどころかその日のうちにいただいちゃったもんな」
…正確には最後までいただかれちゃったのは、その次の日ですけどね。
「しゅーちゃんって呼んじゃった日には、もう大騒動ですよね、きっと」
「うわっ、怖いわソレ。ソレはマジでカンベン願いたい。いつかさ、ちゃんと公にするべき時が来るまでは秘密にしといてもいいか？」
「はい…」
そっと抱きしめられる。
「明日は何しようか？ここにいたら１日中エロいことして終わっちゃいそうだな」
「なんか不健全ですね」
「だな。でも明日のことは明日考えるか？チカ眠そうな目してるし」
「しゅーちゃんだって」
「バレたか。寝るか？」
「はい」
「おやすみ」
「おやすみなさい」
おでこにやさしいキスをくれて、腕枕のサービス付きでクリスマスイブの夜は更けていった。