クリスマスイブ-2
「チカ…」
優しく名前を呼んでくれて、髪を撫でてくれる大きな手。沢山のキスをくれる人。
「ベッド行こっか?」
耳元で囁かないで。それだけで達してしまいそう。
「でもシャワー…」
「ダメ。もうチカが欲しい」
そのままベッドルームへ誘導され、1枚1枚服を脱がされていく。買ったばかりの赤い下着だけにされる。
「かわいい。チカ色白いから赤が映えるね」
と誉めてくれた。ブラのすぐそばを強く吸われると赤いしるしがついた。
「イヤ?」
しゅーちゃんに訊ねられる。
「ううん、なんか嬉しい」
と答えるとおっきな笑顔で抱き締められる。そしてディープキス。しゅーちゃんの唾液には催淫作用でもあるんじゃないかと思ってしまうほどしゅーちゃんが欲しくなる。
薄暗いしゅーちゃんのベッドルーム。ついキョロキョロしてしまう。
「どーした?」
「ううん、何でもないけど…」
「男の部屋が気になる?」
「ん。なんとなく」
「この部屋にはテレビもないし、チカが望んでるようなモノはないよ」
しゅーちゃんが苦笑する。
「私が望んでるものって?」
「エロビデオとかエロい雑誌探してるんじゃないの?」
「ちがっ。っていうか、しゅーちゃん、そーゆーの持ってるの?」
「気になる?」
「…う、うん…」
だってどんなオネーサンが好みなのかな、とか…
「何?チカ観たいの?じゃあ次回は用意しておきますか?」
「いい、いいですっ」
「あ、何なら今からリビングのパソコンでエロ動画でも観る?」
「や、やだっ。違うってば。っていうかしゅーちゃん、そーゆーの観るの?」
「観てヌキますよ、健全な男子ですから。って何チカ真っ赤になってるの?何?オレが一人でシてるところ想像しちゃった?」
しゅーちゃんはニヤリと笑って私をからかう。
「もうっ、しゅーちゃんってばっ」
「チカだって一人ですることあるだろ?観てみたいな」
「ヤダっ、絶対イヤっ!」
身の危険を感じてベッドから脱出しようと試みるもすぐにしゅーちゃんに絡めとられる。
「冗談だよ。せっかく2人でいるんだから2人で気持ちよくなろう?」
背後から抱きすくめられて、しゅーちゃんの熱い息が耳にかかる。
「まだオレの知らないチカをいっぱい見せて」
しゅーちゃんの唇がどんどん下に降りていく。いつの間にかブラははずされ、時々強く吸われる。きっとあちこちにしるしがついてるはず。
「明日は何か予定ある?」
「悲しいことに何も」
「じゃあ泊まっていける?」
「は…はい…」
「よかった。じゃあゆっくり可愛がってやる」
またしゅーちゃんがニヤリと笑う。時々Sだよなぁ、この人。
「何怯えてる?」
「怯えてないですけどしゅーちゃんって時々Sだなぁって…」
「でも嫌いじゃないでしょ?チカは絶対にMだと思う」
「は、はじめて言われましたけどっ」
「じゃあじっくりオレが調教してやる」
「ヤダヤダっ。痛いのとかイヤっ」
取り乱す私をそっと包み込んでくれる。
「チカが嫌がることはしないって。浮気もしないし大切にするって約束する」
「しゅーちゃん…」
「なんかサカリのついたガキみたいだな。昨日も散々チカのこと抱いたのにまだチカが欲しい」
「もぉっ。人が感動してるのに!」
嬉しい言葉にうっとりする間もなく、しゅーちゃんのやらしい攻撃が始まる。でもむしろソレにうっとりし始めてしまう。情けないけれど、私もしゅーちゃんが欲しくてしょうがない。まるでエッチが気持ちいいと知ったティーンエイジャーのように。ってヴァージンじゃなくなったのは、20代に突入してからだったけれど。
体勢を変えられ、散々攻められる。なるべく声を出さないように気をつけているのに、しゅーちゃんはお構いなく攻撃をしかけてくる。ふと、視界に入ってきたのは電源の入っていないデジタルフォトフレーム。必要最低限なものしか置いていない、という感じがする寝室に若干の違和感。
…あれ?この違和感。昨日も感じた?
そう、あれはしゅーちゃんの車の後部座席を見たときに感じた違和感…
「チカ、何か今違うこと考えてるだろ?ずいぶんと余裕だな」
「ひゃっ」
その違和感がなんだったのかを考える余裕など与えない、といったようにしゅーちゃんの長い指が身体の奥深くめがけて侵入してくる。ここ数日でしゅーちゃんは私の身体をどのように攻めたらどうなるのか、すっかり習得してしまったような気さえする。確実に余計なことなど考えている余裕はないほど、私は快楽に追い詰められていく。