花嫁-1
「明、おはよ〜ぉ。・・・早速だけどさ、セックスしない?」
朝、一人暮らしの俺のアパートを訪ねてきた姉はいきなり言った。
「・・・・・・・はぁ?!」
俺は脱いだパジャマをたたみながら、驚いて姉を見た。
ピンクの口紅に茶色くてくるくるした髪。真っ白い肌。大きな瞳。
体中から「女」を匂わせている俺の姉。
彼女は笑いながらもう一度、言った
「だからさ、セックスしよ♪・・・たまってるんじゃないのぉ?」
「大きなお世話だ。あいにく、女には不自由してねーよ」
「あらら〜可愛くないの。」
それでも余裕気に笑う姉の顔を思わずじっと見つめる。
そんな俺に気が付いたのか、姉は
「今日はしてくれないの?」
と、上目遣いで見上げてくる。
う・・ヤバイ。
「あ・・なんだ、身体は正直だぁ。明ぁ、舐めてあげるよ」
「な・・何すんだよ・・・」
姉は、まゆは、小さい頃からその抜群の容姿で男を絶やしたことは無かった。
でも、誰も三週間と続かなかった。
理由はわからない。
初めて姉が付き合ったのは中学のとき。当時人気のあったバスケ部の先輩とやらで、
三日で別れたと聞いた。
それが始まりだった。
その日、姉は夜中の二時頃に俺の部屋に入ってきて、「抱いて」といった。
俺はそれに答えた。まるで当然の様に。
姉を、好きだから。
断れるわけが無い。
姉は俺の理想を絵に描いたような女の子だったから。
そして、姉は男と分かれる度に、俺を求めるようになった。
初めてしたときに、姉は言った「明が、弟じゃなければいいのにな」と。
その意味を理解できないまま、すでに7年の歳月は流れた。
俺は21になり、姉は24になった。
「ん・・明ぁ・・イイよ・・奥まで来てるの・・ん・・」
「まゆ・・」
「ふぁ・・・ダメ・・・」
俺は姉の体のスミからスミまで知っていた。
指と舌だけで簡単にイってしまう事とか、左胸が性感帯だとか。
実はそれら付き合ってた男と関係したことが一度も無いとか。
「姉貴、また別れたのか?」
事が済んでベットに横になり、ネコみたいに毛布に包まる姉を見ながら訊いてみた。
「どして?」
「いや、決まって俺らがヤル時って、姉貴が男と別れたときだから。」
「ぶー。残念でした。」
まゆは笑う。
「違うの?」
「違うよ」
「なんだよ、じゃぁ何で・・・」
「明と、シタかったから」
いきなり姉は真顔で答えてきた。
ビックリして俺はまゆを見た。そんなことは初めてだったからだ。
「なぁんてね、嘘よ。う・そ★」
「なんだ嘘かよ」
あせった。
「残念?」
「まぁ・・・少し」
「ばぁか。」
いきなり姉は、俺の後頭部に手を回すとキスをしてきた。
舌を絡ませたり、唇を舐めたり。
化粧が落ちた姉の顔は童顔で、ますます色っぽかった。
「もう一回。しよ?」
姉の誘いに俺はうなずいた。