花嫁-9
泣かないで、強く生きて欲しい。
本当は俺のモノにしたかったけど
まゆには笑って欲しいから
たった一人の姉、世界でただ一人の俺の姉。
君の幸せを切に願う
君を愛するひとりの男として
それでも今はきっと結婚式には出れないだろうけど
式当日には、綺麗なユリの花を君に贈るから
暫くはお別れだね、まゆ
そして、まゆは花嫁として俺のもとを去った。
月日は流れ
俺はいまでは会社の営業マンとして働いている。
まゆもちゃんと嫁ぎ先で巧くやっているらしい。
まぁ、結果論でみれば俺は決して幸せには見えないかも知れないけど
俺は満足している。
姉とは、あの夜きり逢っては無いけども、メールがよく届く。
昔の様な熱情は、今はもう無い
あの頃よりも素直に姉の幸せを願っている自分がいる。
これでやっと終わる恋
ありがとう、幸せな日々を俺にくれて
いつの日か、笑う君にもう一度逢いたい
***END***