花嫁-8
もしも、血が繋がってなかったらとか。
そんな風に思うのは俺のエゴなんだろうか?
何時だってまゆは俺を笑って受け止めてくれた。
だって考えられるか?
「姉」だというだけ。ただソレだけなのに。
気持ち悪いとか
異常とか
おかしいとか
寂しい時、嬉しいときに
一番側に居て欲しい人間が
「まゆ」
と言う名の女の子だってだけなのに。
「まゆ・・」
「ん?」
まゆはいつもの顔で笑う。
それがたまらなく愛しい。
「あのな、俺、まゆが好きで・・・」
「うん?」
「だから、言うよ」
「・・・・・?」
「まゆが好きだ・・・・・どこにも行くな」
「明・・・・」
「・・・・そんだけ」
「・・・・嬉しい」
まゆはどびきりの顔で笑った
「好きなんだ。・・離れたくないっ・・・まゆとずっとずっと居たい」
「あき・・・・ら・・」
「だって、まゆ可愛い」
「・・・っ・・ばか・・・」
まゆは泣きそうな顔になる
「でも・・姉の幸せを祈ってる」
「明・・・」
「弟として。今までありがとう、まゆ」
側に居てくれて。
姉の幸せを心から願う。
さようなら、俺の花嫁
「ありがとう・・・」
もう一度、まゆは心から笑った。
「うん、やっぱまゆには笑顔だな」
「馬鹿・・・」
さようなら、さようなら
まゆ
きっと君を抱き締める日は二度と来ないから。