花嫁-7
やっと想いが通じ合えて、これからだ、と思った。
「・・・・?」
体が全く動かない。隣に寝ているハズのまゆが・・・居ない?
状況が飲み込めず
ぼんやりとした意識の中で俺はひたすらまゆのことばかりを探した。
体が、思うように動かない・・・・なんだこりゃ・・・・
「起きた?」
まゆの声が何故か頭の上からした。まゆの顔は見えなかった。
「明・・・」
まゆ
名前を呼びたいのに声が出ない
「・・・ごめんね」
そう言ってまゆは突然泣き出した。顔は見えないがこの声は泣いている。
どうしたんだよ、何があったんだよ。
動かない体が忌々しい。君の涙を拭ってあげたいのに。
「ごめんねぇ・・・明ぁ・・・」
泣かないで、泣かないで、まゆ。
俺はここに居る。
「ごめん・・・ね」
謝るなよ。何も悪いことなんかしてないだろう?
泣くなよ・・・・・俺まで悲しくなってくる。
「バイバイ・・・・。」
まゆ?何処に行くんだ?
俺を一人にするなよ
『まゆっ!!!』
「きゃぁ!」
まゆの悲鳴が聞こえた
「え?」
気がつくと俺は汗だくになってベットから飛び起きていた。
ビックリした顔でまゆはこっちを心配そうに見ている。
「なによぅ・・・び・・・びっくりしたぁ・・・」
「・・・・・・・・まゆ?」
「え?何言ってるのよ、明・・・?」
まゆだ。本物のまゆだ。
俺は無我夢中で姉を抱きしめた
「い・・痛いよ明!!」
声も出さずに夢中で。
・・・・・涙を流しながら
「・・痛いよ・・・・明・・」
まゆはゆっくりと俺の頭を撫でてくれた