茶圓さんの家は古びた日本家屋で、座敷に通されると、そこには十数人の少年たちがいた。
皆、年齢こそ僕と近いか少し上くらいに見えるが、驚くほど引き締まった体をしている。
全員が褌を締め、姿勢よく座り込んでいた。彼らの静かな視線が一斉に僕に注がれた瞬間、胸がどきりと高鳴った。
「新しい子が来たんだな」　　
低い声が座敷の奥から響いた。声の主はカズキと名乗る少年で、彼はゆっくりと立ち上がった。均整の取れた体躯、鋭い目つき。明らかにこの場の中心的存在だとわかった。　　
カズキは僕を見下ろし、ふと微笑む。だがその笑みはどこか作り物めいていた。　　
「ヒロっていうのか。お前もこれをつけろよ」　　
彼が手渡してきたのは真新しい白い褌だった。質素でありながら、どこか神聖な雰囲気すら漂うそれを、僕は無言で受け取った。　
「ここではみんなこれが決まりだ。抵抗するなよ」　　
カズキの声には力強さがあった。周りの少年たちは無言のまま、ただ僕を見守っている。