重々しい扉を開けると、独特の香りが鼻を突く。甘美な花の香りと、どこか腐敗したような匂いが混ざり合い、奇妙な感覚に陥る。

部屋は不自然なほど整然としていた。真っ白な壁には何も飾られておらず、中央には一輪の赤い薔薇だけが生けられた花瓶がある。その花びらの深紅が、不気味なまでに鮮やかに映える。