PiPi's World 投稿小説
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No396-02/03 02:12
女/沙耶
TS32-i0o94RxX
沢山の傷は執着の証


辛くても苦しくても
『生』へしがみついている証
その証拠にほら、
またためらってしまうでしょう

本当に、本当に
それを棄てて無になってしまおうと思っているなら

傷は一つで十分
その心の傷ほどに、
深い傷ひとつで十分な筈

溢れる紅色を観て『生きている』と実感するくらいなら

日暮れの朱色の空を仰ぐ方が
きっと心はじんわりとその傷を癒す筈

大丈夫
あなたの強さを知っている人は、きっとすぐ側にいる

大丈夫
手首ばかりでなく、
少し落ち着いて足元を見てごらん
足元に伸びる道はひとつではないんだから
No395-02/02 23:49
女/苑寿
N900i-Jaqmc1as
テレビの中で男が言う
「君のためならしねる」
テレビの中で女が言う
「私も貴方のためならしねるわ」

私の隣で貴方は言う
「俺はしねないな」
貴方の隣で私は言う
「私もしねない」

これ以上の言葉はいらない
必要なのはキスと抱擁

私たちはお互いのために生きるのだから
No394-02/02 22:40
女/稍(やや)
SN25-uvrABlXC
『キッチン』

台所で包丁をダンと下す
俎板で寝転がる鰹がドンと跳ねる鰹の首ねっこから鮮血がサラリ
これは素晴らしく健康的な血液
見習わなければなりませんね奥様とりあえずこんなものは生ごみ
さあさあ 洗って洗って手際よく見事にオロシテ差し上げましょう

真赤に染ったキッチン背にして
新聞ごしのあなたにスマイル
『大根卸しにぽん酢はいかが?』

PN.今は鰹より寒鰤
No393-02/02 22:14
男/戦人
D901i-Ap5NVC11
手首についてる傷跡を
醜い等とは思わない
その一筋一筋は君が戦ってきた証
弱虫な僕にはどんな宝石よりも輝いて見える

でも
もう自分の身体に戦いの証を刻みつけなくてもいい
僕が居る
僕も一緒に戦うから
もう一人じゃない
君が背負い続けてきた物を僕にも担がせて
No392-02/02 21:54
女/音藤 紫
P902i-tTEW8T90
見てるだけでイタイ
アンタのその行動

そんなにズタズタに
自分を傷付けてさ
なんでも自分で背負っちゃって。

馬鹿じゃない?
言ってくれれば私だって助けるよ


真っ黒な感情をしまい込み
結果
手首に増える紅いヘルプのサイン

もう止めて。
私が居るんだから。

そんな
]に刻まれた紅い糸なんて欲しくない
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