PiPi's World 投稿小説
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No679-2011/03/25 22:50
男/デルタ
PC-8QneLL47
目も耳も腕も脚も
大切なものは二つ持っていて
口は真ん中についているのに
どうしてか一番大事な心臓は中心線から外れていて
ひとがアンバランスなのは仕方がないのかなって
言った僕はきっと泣いていたんだろう

君は僕を抱きしめて
これでバランスは保たれたねって呟いた

繋がりは、どこにだってある
僕はそれを否定したくて
依存は弱さだって叫びたくて
君を離そうとした

両胸で呼応する正確な鼓動のリズム

離せなくて
放せなくて
しがみついた僕はきっと泣いていたんだろう

人と人との間に中心線があるのなら
愛は間違いじゃないのかな
それが全てだって言った誰かは
正しかったのかな

争い憎み殺し合う
彼らの間にも
中心線は引けるのかな
No678-2011/03/23 19:45
男/マコト
SO905i-U8KUhpGc
忘れないように
ちゃんと覚えていよう

この色も
この匂いも
この構図も

全部が鍵なんだから
大切にしたい
今の記憶を
呼び起こすための
鍵になるから

だけど
嫌な記憶の鍵を
思い出したくないからと
忘れようとはしちゃダメだ

嫌な記憶も
辛い過去も

そこから
たどっていけば

楽しくて
嬉しくて
気持ちよかった
思い出に行き当たるから

覚えていよう

この色も
この匂いも
この構図も

思い出せなくなった
記憶の鍵を
いつか
開け放ってくれるから

ちゃんとね
No677-2011/03/22 22:53
女/桜井
SH3J-5ys4E6s0
世界が昨日終わればよかった
ぼくはきみのためそう祈るべきだった
けれど時計は るくるる 回って
そしてきみは絶望にとびこむ

夢や希望はとっとと逃げた
あとはぬけがら たましいも消えた
それでも時計は るくるる 回って
そしてきみは波にのまれる


時をもどしてくれないか
きみをのみこんだ壮大な絶望に、ぼくがかなうはずもないけれど
せめて世界の終わりを祈る
穏やかで優しいすべての終わりを

きみが一瞬に消えさるまえに
きみと手をつなぎ
共に終われたなら
No676-2011/03/21 22:04
男/マコト
SO905i-U8KUhpGc
雪原に
足跡の道

目的地は
雪のない季節の地

荷物は一人分
残す足跡も、そう

温かさに憧れていた
冷たさに嫌気が差していた

だって
自分の手さえ
もう冷たくなった

冷たさは痛みだ
温かいあの場所は
それを癒してくれる場所

心を擦りむいたって
優しく治してくれるはず

目的地は
雪のない
温かな場所だった

その地を夢見た
足跡の終わり

雪の季節を追いかけた
夢追い人の亡骸に
桜の花びらが
今年も積もる
No675-2011/03/20 23:56
男/マコト
SO905i-U8KUhpGc
難しく考えるから
複雑に見えるんだ

自分を認めないから
自分を認めてもらえない

シンプルに考えて

気づいてるだろ
自信は既に手の中にある

自分次第だ
どうにでもなるよ
何にでもなれるよ

ほら
とりあえず今は

歩き出すことからだ
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