[
編集|
削除|
古順]
[
戻る|
前頁|
次頁]
No744-01/24 15:11
女/Dyuo
CA37-qlSCItH2
夕闇迫る水平線を、遠くカモメが私に背を向けて飛んで行く。
水面を揺らして波を立てた風が、濡れた頬をそっと撫でた。
「そんなに兄貴のことが好きだったんだ?」
ほんの数時間前…弟になったばかりのアイツの声が、波音に混ざって私に届く。
その音色はあくまで優しく、気遣わし気で…私は思わず、フッと吹き出した。
「何よ、それ。アンタに心配されるなんて、気味悪い」
「でも…」
「あ〜んな鈍感男、こっちから願い下げよ!」
ねっ!と言い聞かせながら振り向くと、彼はあの人とよく似た瞳を揺らしてから静かに笑みを浮かべてみせた。
吹き抜ける風が、彼の茶色い髪をも散らす。
「いい男が台無しよ!」
クシャクシャっと頭を撫でると、年上ぶるなと拗ねてみせる。
「姉になったんだから、いいでしよ?」
負けじと拗ねてみせてから、私は水平線を背に歩き出した。
カモメの声が、どんどんと遠なっていく。
「俺は、アンタが姉だなんてイヤだからな!」
一際強い波がザァッと、砂を洗って沖へと流した。
久々の書き込みになります。
次は『砂』でお願いします!
(*^-^)b
No743-01/13 11:40
男/白いフクロウ
V705SH-OtmwnKgP
(お願いします……! 神様……助けて……!)
真っ暗に閉ざされたその空間のなかで、美香子は何度も何度もその言葉を繰り返していた。
目をつぶるだけで思い出す。
ドアの向こうから聞こえた、孝明の断末魔の悲鳴。後頭部にナイフを突き立てられて、血の海のなかに倒れていた正人の死体。
(いや! あたし死にたくない!)
身を縮めていなければ叫びだしてしまいそうな恐怖に耐えながら、美香子は必死に朝を待った。
閉ざされた部屋。牢獄として作られたというその部屋は、頑丈な鉄扉に守られて施錠すれば中はもちろん、外からも開けることは不可能だ。そしてその扉の唯一の鍵は、美香子自身が握りしめている。さらに窓には鉄格子が嵌め込まれ、こちらも外れるはずがない。
(……大丈夫……この鍵さえここにあれば、絶対にだれもはいってこれないはず……)
自分に言い聞かせるようにして、なんとか気持ちを落ち着かせた。だが恐怖は全く拭えはしない。
「もういやあ……」
思わず声となったその言葉は、しかしだれにも届くことなく闇に消えた。
『闇』で
No742-12/22 10:11
?/悠
P702iD-wmi9Sjo6
「残念ですが…現在の医学では彼等を救う方法はありません…」
先生の言葉が頭の中で何度も繰り返し蘇ってくる。
やれるだけの事はやってきた。
今までずっと一緒に戦ってきた彼等を見捨てる事は心苦しいが、これ以上世間の目を欺くのは難しい。かといって代わりのヤツを側に置くことはできない。
苦悶の末、俺はある決断をした。
「お客さ〜ん、今日はどんな髪型にされますか?」
「丸刈りでお願いします。」
久し振りに書いたら意味不明になっちゃった(泣)
お次は『お願いします』で♪
No741-12/22 01:41
男/白いフクロウ
811SH-OtmwnKgP
「無念」
「んー……念力」
「リキ? ちから? じゃあ、力技」
「わざ、か……。技術」
「術中」
「中……居?」
「井戸、ってそのナカイじゃないか。居間」
「んーっと、間合」
「合コン。……うそです。ガッショウ」
「ガッショウって歌の合唱? 手を合わせる合掌?」
「あ、悪い。歌のほう」
「じゃあ……唱歌」
「歌人」
「あ、『ん』がついたー! 別にいンだけど。えーとね、人参」
「仮面ライダー参上! の、参上」
「うえ……、うえ……。上手」
「手品!」
「品物」
「物品」
「おいコラ戻すなよ! えー……しな、しな……。……品庄しかでてこない……」
「降参?」
「うっせ! 待て! えーとー……あっ! 品薄!」
「ちっ。じゃあ、薄氷」
「つらら!」
「え! つららってどう書くの!?」
「ヒミツー」
「考えろ」
「……えー、知らん……。じゃあ『氷の針』だと予想して、針山……」
「ファイナル・アンサー?」
「ふぁ、ファイナル・アンサー!」
「チッチッチッチッチッチッ……」
「どうなの? あってる? あってる?」
「残っ念っ!」
「うそっ!?」
『残念』で
No740-12/21 19:23
男/カラソウジュ
N903i-B8.qKFIr
拳銃をやたらめったら発砲しながら、男はこちらに向かってくる。その迫力、正に鬼神の如し。
バン!ババン!
「うおぉおっ!負けるかっ!やってやる…やってやるぅ!!」
バンバンバン!『ギャー!』
「勝って……勝って、賞品の『THE・男の夢!!貴男を桃源郷へ………ギリギリ満載だよ☆』を手に入れるっ…」
ドキューン!!
「んだゲフゥ!!!?」
『三番失格。救護班、回収してください。』
「む……無……念…」
そんな本は有りません(笑 次は『無念』で。
<
戻る|
前頁|
次頁>