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雑談BBS

No900-09/02 17:26
男/螺旋
N902iX-E89nq6OW
「時間が無い! 早くしろ、疾風! その刀でオレごと刺せ!」

何を躊躇ってるんだ、あのバカは!

「出来ない。ボクには出来ないよ。キミはボクにとってたった一人の親友だ! だから、キミを刺すなんて出来ない」

刀は力の行方を失い地面に落ちた。

「バッカヤロウ! これはお前にしか出来ないんだ! オレはお前になら、命を預けられる! だから、早くしろ、疾風!」

大したことは言ってない。ただ、疾風のことを信頼している。それだけを伝えたかった。

疾風にとって晃人が自分を信頼してくれたことが何より嬉しかった。だからこそ晃人の言葉にすべてを賭けることにした。

疾風は再び刀を手にした。今までの顔つきとは違う。心無しか刀も以前よりも輝きが増しているようにも思える。

それをおもいっきり奴と晃人の身体に刺した。二人分の肉を斬る感覚。二人分の血が流れる感覚。二人分の身体を打ち砕く感覚。

何度刀から手を離したい。と思ったことか。だが、その度に晃人が振り絞りながら言葉を掛けてくれた。

『頑張った……な、疾風。もう少しだから……よ、頑張れ……、疾風』

久しぶりに書いてみました。うーん、ブランクを感じる。

次は『頑張れ』か『疾風』で!
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