雑談BBS
No881-07/24 22:11
男/フロムポスト
CA38-kJEqyDBA
いきなりぼくの前にタバコをくわえた顔を突き出して、火ちょうだい、なんて言うものだから、ぼくはポケットからライターを取り出して、彼女の顔の前で火を付けた。
しかし彼女は違う違うと首を振ると、ぼくのくわえる火のついたタバコと、自分の火のついていないタバコを交互に指刺して、笑った。
その仕草の意味を理解し、ぼくも少しだけ顔を突き出すと、彼女もぼくに再び顔を近づけて、ぼくのタバコの先端から自分のタバコに火を貰い受け、フー、と最初の一口を細く吐き出した。
何の事はない、ただの異性の友達。
彼女はその一線を時々面白半分でつついてくる。
最初はそれに少しドキドキとしていたものの、それも何度か続けば次第に慣れてしまうもので、ぼくは溜め息の変わりにタバコの煙を吐き出した。
生ぬるい湯のような、ぐだぐだとした時間。
だがそれがどんな難病にも効く薬のように思えてしまう。
ぼくのタバコが燃え尽きた後、初めてぼくも少し線をつついてみよう。
彼女はその時、どんな顔をするだろう。
「どんな顔をするだろう」でお願いします。
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