‡アーサー・ド・ローライト‡
メインランド王国第一王子。王位継承権を異母弟に譲渡した今は一地方領主として田舎に引っ込み趣味に人生を捧げる日々を送っている。

‡マチルダ・フレデリック‡
アーサーの臣下で主席書記官を務める女性。常識の通用しない主君に苦労が耐えない。

‡グリーゼラ・フォルストス‡
アーサーの臣下で守備隊長を務める女騎士。城内一の巨乳。

‡ルシア‡
アーサー付きのメイドでアーサーとは乳兄妹の間柄。

‡フェリト・ヘンジロット‡
ライトエロ小説家。アーサーが彼の大ファンで居城に逗留させている。実は隣国ドラグニア帝国のスパイ。

メインランド王国はつい最近、建国30周年を迎えたばかりの由緒もへったくれも無いバリバリの新興国である。
元々この地は別な国によって統治されていたのだが、暴虐の限りを尽くしていた暴君を、その臣下であった先代国王が打ち倒して建国した。
そんな新興国も初代が逝去して二代目の治世となり、少しは国家としての貫禄も付いて来たであろうかという現在、この国には人々から無能王子と呼ばれている一人の王子がいた。
この物語は、現国王と正妻との間に生まれた長男であるにも関わらず、後に生まれた愛妾の子である次男に王位継承者の証である王太子の称号を奪われ、しかもそれに対して何の抗議も反論もせずに黙って受け入れた挙げ句、自身はサッサと辺境に与えられた領地に引っ込んで悠々自適の暮らしを送っているヘタレ王子…アーサー・ド・ローライトの物語である。