PiPi's World 投稿小説

それは突然のことだった。
山の一部が轟音を立ててえぐり取られた。
崩れたわけではない。そこの部分が謎の光とともに無くなったのだ。

異様な事態にアラミ王の心は踊った。この事態を有効に使おうと考えたのだ。
アラミは王の立場を利用して早速命令を出した。
「この異変を探る冒険者を探してこい。一人に絞る必要はない、三人だ」
なぜ三人?という疑問が王以外の頭にあったがとりあえずそれなりに強そうな者が数名広場に集まってきた。
王は独自の判断で三人を選んだ。美形で童貞の包茎の少年という基準に当てはまったのは、戦士のカイと僧侶のセシルと魔法使いのミリアだった。
奇妙な審査基準であったが、重臣たちが口を挟まなかったのも、山賊上がりの傭兵や淫乱な魔女に勇者の称号を与える事態は避けたいとの思惑も影響している。
「よいか、無事に山の異変の謎を解いた暁には、余の小姓に取り立てる!」
「はい、王様」
三人は内心胸をなでおろす。王の后は醜女で評判だったし、王女は正妻の娘と知られていた。
それに、小姓になれば側近にも等しい地位で、うまくいけば王の養子となって王の娘と結婚しなくとも王位継承者になることも可能だった。
だが、集められた他の男達はそれに納得しなかった。
裏であのようなやり取りがされたことを知らないから当然だ。
「あんな子供に異変を調べさせてどうなるのか!」という声が相次ぎ、重臣らは対応に追われた。
王の命令には逆らえないのでこの騒ぎはすぐに止んだのだが傭兵の間に違和感は残った。
彼等は三人の少年の支援を命じられた。
「支援といってもなにをすれば良いんだ?まだなにがあったかすら分かってもないのに」
山賊あがりの傭兵達がまたしても騒ぎ始めた。
王に気に入られている三人はまだ王室から出てこない。
なので彼等が出てくるのを待たずに勝手に山も向かう者も現れ始めた。
全くと言っていいほど統制が取れていない。先が思いやられた。