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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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食欲-1



 「 最近、食欲落ちた?」


3日後の火曜日。

いつものようにキッチンの
テーブルで夕飯を取っている2人。

少し心配そうにちづるは
タクミにそう聞いた。

「、 、んーんーー、、。
    落ちてないよ。 」


「、、そう?」


「、、、うん。 元気 、 」


「 、、。そっか。
 でも、6月なのに暑いねぇ〜。」


「 、、うん。 」


「湿度が高いと、
 身体もなんかダルいよね。」


「 、 ん 」


「、 、 、、、。 」



2人はなんとなくテレビを観る。

タクミは
目の前にいるちづるをじっと見る。

髪型はポニーテール、
服は紺色のTシャツを
着ているちづるは
バラエティー番組を観て
「この人達、好き〜」と、
独り言のように呟く。

タクミはそれを聞いて
テレビのお笑い芸人の
コンビのネタを少しの間、聞いていた。

ネタが終盤になると
タクミが言う。



「今週はずっといれる?」


「 ん?」


「、、うちに。
 ちづちゃん木曜休みでしょ?」


「 ぁ、 んーーとね。
 木曜、ちょっと
出掛けようかなって思ってて、、。」



「、 、 、、」


「お母さんと、、
 北口に新しく
 レストラン出来たでしょ?
  ピザが、有名みたい。
 ランチしようって言ってて。」



「、、ふぅ〜〜ん、、。 」


「 ? 」


   ? 

   なんか やっぱ
 
  タクミ君 元気ないなー。 



「、、、。 仲良しだね。」


「 ぇ? 」


「お母さんと。」



「 ? そう? 」


「、、、。
 出戻りで恥ずかしいって
  嫌味言ってくるって、、。
 前にちづちゃん、
     言ってたじゃん。  」


「 ぁーー、、 ふふっ
 今も言われるよー?
 親戚からご祝儀頂いたのに
    とか。 ふふ、、、  」


「、、、  、 、、。」



「 、 、 ?  」  



ほんの少し
気まずい様子のちづるは、
視線をテレビに戻す。

テレビでは
さっきとは違うお笑い芸人の
コンビが出てきていて
ネタを披露している。

しばらくの間、それを観ていたが
タクミが再び呟いた。




「なんで、、、。
   来てくれるんだっけ 」




「 ん? 」



「ちづちゃんは、、、
  なんで、 ここに  」


       

     ぇ ?

      
  
      俺

        何言ってんだ?




「 え? 」 



「 、 、 、なんで 」 





    
            なんで

           って、、 


          なんだっけ


       、 、、 、。

    
      あ 。




     セックス だっけ


           

          そうだよ な



          

       最初から




「 タクミ君? 」


「 、 っ  、、 ぁ 。」 



タクミはハッとする。
心配そうにしているちづるの顔を
見ないまま、下を向いて
小さな声で

「なんでもない。 
   ごちそうさま。 」


と、言うと立ち上がり
風呂場へ向かった。

タクミの、
グレーのシャツの後ろ姿を
眺めていると
脱衣所のドアがバタンと閉まり
タクミの姿はもう見えない。

ちづるは、
テーブルの上をぼんやりと眺める。

タクミの茶碗には
今日もご飯が半分残っていた。


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