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仮面の魔物 〜 乱れ狂う生贄は
【熟女/人妻 官能小説】

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後章-1

 ユリネとゆいなが居なくなってもうすぐ二週間になる。
 彼女らの母が異国のこの地で力尽き、僕らと共に暮らした約二十年。
 友達の様な、兄妹の様な、いとこの様な…微妙な距離感。でも後に姉のユリネと僕は愛し合い、結ばれた。
 愛し合い?今となっては空の雲ほどの輪郭も持たない曖昧、曖昧ですらない何か、何かですらない
 でも、僕は立ち上がる。大切な妹を守っていかなくてはならないから。
 異国の母娘がこの村を訪れた数日後、実はあまり知られていない二つの事件がひっそりと起こっていた。
 ユリネとゆいなの母が亡くなったのはみなの知るところだったが、彼女の遺体が突如消えてしまった事を知るのはごく一部の者に限られている。
 そして、同じ日に僕の家の裏口に赤ん坊が置き去りにされていたことは、さらに知る者が少ない。
 僕の両親はその女の子をサリネと名付け、僕の妹として育てた。
 ユリネもゆいなも、とても可愛がってくれた。まるで血を分けた姉妹のように。
 二十歳を迎えた今も、サリネは歩くことはおろか、寝返りすら出来ない。
 話すことも、食べることも、シモも自分では出来ない。
 ほとんどの時間、ぼんやり天井を見つめて過ごしているが、話しかけると極たまに笑う。
 両親が正体不明の野獣に襲われて死んでしまった今となっては、僕の他にサリネを守る者は居ない。
 そんなサリネに、うれしい兆候が表れ始めている。
 ピクリ、とだが、ときおり体を動かし始めたのだ。笑う頻度も上がってきたような気がする。
 まあ、サリネがどんな状態だろうとも、僕は守って生きていく。そこに変わりはない。
 ユリネとゆいなを失った今は余計にその想いを強くしている。彼女らの母の遺体が消えたその日に出会った子なのだから。


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