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調教学園寮夜話
【学園物 官能小説】

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第21話『相談・花火大会』-2

 捕まえて檻に入れたり、逃げられたりを繰り返すうち、全部の下級生ペアが捕まえられた。 これで虫取りは終わりか、と思って見ていたけれど、とんでもない。 Aグループ生が1人ずつ――いや、一匹ずつ檻からだし、パァンッ、背中に勢いよくビンタする。 背中に真っ赤な『紅葉』を拵えたセミ少女は、『まんっ』と一声鳴いてから、裏山の木に駆け寄った。 カメラが撮影する中、もう1人の少女がやってきたところで、またしても2人1組でしがみき、セミの鳴き真似がはじまった。 パァンッ、パァンッ、パァンッ……カメラの映像の外で、ビンタの音が何度も響く。 叩かれた少女たちだろう、背中を赤く腫らした少女が次々森にやってくる。 やがてビンタの音が聞こえなくなったと思うと、しがみついた少女たちが一斉に合唱を始めた。 

『ぱ〜いぱいぱいぱいぱいぱ〜い……ぱ〜いぱいぱいぱいぱいぱ〜い……』

『しぃこしこしこしこしこしこしこ……しぃこしこしこしこしこしこしこしこぉ……』 

 鳴き声の無様さとは裏腹に、どの顔付も真剣そのものだ。 やがてAグループ生がやってきて、また網で捕まえられる少女たち。 こうして捕まっては逃がされ、逃がされては捕まっての光景が、延々と裏山で繰り返された。 やがて太陽に陰りが見え、Aグループ生たちが寮に戻る。 取り残された少女たちは、太陽が沈むまで、セミの鳴き真似をずっと続けた。 ずり落ちそうになりながら、身体を樹液でベトベトにしながら、笑ってしまいそうなほどに必死な形相で鳴き真似を続け――太陽が夕日に変わると同時に、ドサッ、ボタリ、木から落ちる。 受け身すら取らずに地面に落ちる様子は『力尽きた』という表現が相応しい。 実際に地上1週間で力尽きるセミのように、少女たちも限界まで自分を追い込んだ証拠だろう。 

 数人、いや数匹のセミ少女は、それでも木にしがみついたままだ。 相方が地面に落ちてしまい、1人の腕力のみで木にしがみつきながら、上半身に変わって下半身を幹に擦りだす。 縊れた腰を、クイ、クイ、クイッ……ローリングさせながら圧しつけるうちに、ポコンッ、白いピンポン大の物体が膣から顔をだした。 ネバネバした不定形の、いわば『白いスライム』のようなそれは、少女が溜めた……いや、厳密には『溜めさせられた』マン滓である。 2週間近く膣の洗滌を許されず、始終オナニーすることでオリモノを大量生産させられた結果、恥垢と牝汁が絡まって生じた、女の恥の結晶……腐ったチーズの匂いがカメラ越しに匂ってきそうだった。 手を使わずに腰ふりだけで膣からはみ出させたマン滓を、ぬちゅっ、木の幹になすりつける。 つまり少女のマン滓は『セミの卵』の代わりらしい。 卵代わりのマン滓を無事幹に塗り終えた少女は、他の少女に続く様にあっけなく木から落ちた。 地面の上では、少女たちが仰向けに横たわっている。 誰もが手足を縮こめて、不自然に折り畳んでいる。 実際に死んだセミをイメージしているに相違ない。 カメラは目を閉じてピクリとも動かない少女たちをアップで映してから、さきほど木に圧しつけられた白いマン滓をズームする。 少女が膣からひりだす様子を見ていなければ、本物の『セミの卵』と言われても、騙されてしまうかもしれないリアルさがあった。

 ここで、フッツリ映像が消えた。

「なるほど、こういう『セミとり』か……面白いじゃない。 頭でっかちなビビり屋さんしかいないと思ってたら……幽醍にだって、頭が柔らかい子がちゃんといるもんですねえ……」

 しみじみと呟く寮監。 

「私もそう思います。 発想が、かなり独創的です」

 隣で【A5番】は相槌を打った。 

「こういうバカっぽいのも、たまだったらよさげよねぇ。 大したことはしてないのに、絶対忘れないイベントだわ。 こういうオリジナリティがあれば、史性寮といえば鞭、みたな先入観を払うきっかけになるのかも。 ていうか、全力で『おバカ』に徹すれば、もう『おバカ』なんていえなくって、立派な演出の域にいけるってことか……」

 何度も頷きながら寮監が独りごちる。

 『映像が終わったら話を聞く』といわれていたので、【A5番】は手持無沙汰なまま、隣でジッと話しかけられるのを待っていた。 しばらくして寮監が【A5番】に口を開いたが、

「貴女たちも、せっかく時間があるんだから、思いきり『おバカ』を突き詰めてみなさい。 やってる当人は必死なんだけど、見てる私は笑えるような、そんなイベントを所望するわ。 緊急でないなら、話はイベントの後にしましょう。 準備一切協力するから、せいぜいオリジナリティがあるイベントを考えなさいな」

 【A5番】にとって意外な……ただし『渡りに船』なコメントだ。 【A5番】が念頭に置いている『花火大会』は、オリジナリティでは『セミとり』に引けをとるとは思わない。 あとは少し筋立てを変えれば『セミとり』とは違うベクトルで嗤える要素は組み込めると思う。 準備に協力、という言質まで労せずして貰ってしまった。

「はい。 了解しました」

 深々とお辞儀をし、是幸いと退出する【A5番】。 どんな花火を用意してもらうか、どんな筋立てにするか、笑いと躾をどのように両立するか……再度Aグループ生で話し合って、ブラッシュアップした方がいい。 寮監が1対1の躾なしに解放してくれるのは稀だ。 【A5番】は自分の幸運を噛みしめながら、小走りで寮長室に向かうのだった。


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