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特命捜査対策室長 上原若菜
【レイプ 官能小説】

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最愛なる娘-1

海老川優里が最後に選んだ場所は城南市立第3中学校であった。現在第3中学校は老朽化した校舎を建て替える工事がされており、生徒らは廃校になっていた第4中学校にて授業を受けていた。第3中学校の校長は女性であり不死蝶のメンバーであった。建て替え名目で密かに優里の計画に協力していたのであった。

警察が城南地区から半径を広げて外に外に向かい廃校を調べて行く事は予想していたのであろう。もしかしたら廃校ではないと気づく事も予想していたのかも知れない。途中で気付いても再び城南地区から調べるよりも今いる場所から城南地区に戻るように捜査するだろうと読んで、場所の特定を遅らせる為に城南地区に選んだ事を感じさせた。それは完全に若菜の裏をかいたある意味大胆な選択だったと言える。

警察が第3中学校に到着した時、不死蝶の女性らは誰1人として逃走した者はいなかったと言う。全員が鉄格子の中に生き絶えたリーダーを悲しみ泣き叫んでいたと言う。優里はレイプ被害女性達にとっては神的存在であったのだ。誰も優里の事をテロリストだとは思っていなかった。彼女らにとってはレイパーこそがテロリストなのであった。

不死蝶のメンバーは全員県警本部に連行された。最後まで離れようとしなかったのは歩美だ。体内の水分を全て涙に変え泣きじゃくっていた。若菜は暫く歩美に声を掛けられなかった。それは優里を救えなかった後ろめたさからであった。刑事としての能力には自信があった。しかし全力で追い掛けた2人を最後まで捕まえる事は出来なかった。若菜は心のどこかで警視総監と言う刑事として最高の立場になった驕りがあったのかも知れないと思った。改めて自分の資質を見つめ直さなければならないと感じていた。この事件の全容を究明した後、警視総監から降りよう、そう思っていた。

テロリスト2人が逮捕される事なくこの世を去ってから1週間、不死蝶のメンバーから事情聴取を行なった。全員がレイプ経験者であり、自分の辛い過去から現在の事まで全員が事細かく話してくれた。不思議なものだ、事情聴取を行なった署員らは彼女らの話を聞き全員が悲しい気持ちになり涙さえ浮かんだ。彼女らはテロリストの仲間ではあるが、犯罪者に事情聴取を行なっているような気持ちにはならなかった。

そんな中、歩美だけは沈黙を貫いていた。沈黙を貫いていたと言うよりは母親の死を目の当たりにして深い悲しみから抜け出せないと言った感じだ。事情聴取を担当した署員も歩美の姿を見るのが辛すぎて無理に応じさせようという気持ちにはならなかった。若菜は歩美と話したかったのは山々であったが、若菜らしからぬ事に、それを躊躇っていた。

「上原さん、郵便物が届いてます。」
マギーから郵便物を受け取った。何と無く手にした郵便物だったが、若菜は何かを感じた。他の封筒となんら変わりのない郵便物であったが、若菜を引きつける何かを感じた。若菜はその封筒を開け中身を確認した。
「こ、これは…」
若菜は緊急で用意されている警視総監室に入り、1人でその中身を確認したのであった。


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