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調教学園寮夜話
【学園物 官能小説】

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第14話『球技大会会議』-4

 2枚目は『幽醍寮』が担当するBグループ競技だ。 タイトルは『ビーチバレー 〜変則砂場バレーボール〜』とある。 Bグループ生は35名もいるんだから、てっきり野球やサッカーのような大人数競技を持ってくると思っていたら、プレイヤーが2人ずつという、ごく少数なマイナー球技だ。 ただしルールは幼年学校でおなじみのバレーが下敷きになっているため、人数が少ないからといって競技の条件に外れてはいない。

「なるほどねぇ……中々セコイ手を使ってくるじゃん」

 競技名を見るなり【A3番】が溜息をついた。 

「3組で留年中のBグループ生に、メチャメチャ上手な子がいたの覚えてる? 2年前の球技大会で、ウチらはBのバレーボールで勝負したんだけど、あの子1人に20点も30点も決められてさ……ブロック1枚や2枚じゃ止められないから、最後は全員でブロックにいって、どうにかウチらが勝ったんだよね。 あの子ってばまだ進級してなくて、今でもBグループ生をやってるわけよ」

「……で、その子を中心にチームを組んだバレーボール戦、実質その子の個人戦にもっていく……ビーチバレーを選んだ理由が分かりました。 そんな子がいるなら正々堂々勝負すればいいのに、確かにセコイです。 卑怯です」

 【A1番】が口を尖らせる。 一方【A3番】は腕を組んで感心しきりだ。

「6対6のチーム戦なら、試合までにそこそこレベルアップできるんだけどなぁ。 2対2じゃコンビネーションを練習したってたかが知れてるもんな。 個人技主体で少数系……敵ながらうまい手を考えたもんだ」

「あたし……こういうあからさまな作戦は好きくないです。 あたし達にも大きい子はいるし、鍛えれば、もしかしたらそのすごい子に勝てるかもしれません。 あたしは試合がないですから、史性寮のB代表ペアをコーチします。 そうそう思い通りにさせませんから」

「おおっ、アイってばやる気じゃん。 もしかして本気で怒ってる?」

「まさか。 そういうわけじゃありませんけど……でも、ちょっとイラっとしてるかもです。 まあ、指を咥えてみてるのも癪ですし、色々勉強して頑張ります」

 普段温厚で物腰穏やかな【A1番】だけに、ちょっと頬を膨らすだけでも珍しい。  

 ちなみに、試合に出ないAグループ生が後輩のチーム戦を指導するのは、史性寮の伝統だ。 中には寮監が直々に指導する寮もあれば、何故か球技大会だけ担任が指導に出張ってくる寮もある。 昔はOGを呼んできた時代もあったそうだが、現在では完全に部外者の入寮を禁止しており、そういうことはなくなっている。

 競技用別紙3枚目は、彼女たち『史性寮』が担当するCグループ競技になる。 人数差を生かすべく、彼女たちが選んだ球技は『ドッジボール』だ。 さきほど他寮の競技が不公平だと文句をつけたものの、この競技に限ってはめいいっぱい自分たちを有利にするべく、みなが次々にルール細則を提案する。 

「当然競技は全員参加です。 勝敗は時間内を生き残った数で決めればいいと思います」

「試合時間は出来るだけ短くしようよ。 他の競技もあるだろうから、いっぱい休憩はさんでさ。 5分クォーターとかがいいんじゃないかな」

「外野がパスボールしたら、即内野にボールパスってことにしよう。 あと、パスの回数を無制限にして、延々と時間稼ぎできるようにすれば、最初に人数が多い方が絶対勝つじゃん。 仲間内のパス無制限……このルールが通れば楽勝なんだけどなぁ。 流石に見逃してくれないよねぇ」

 そんな中、【A5番】が呟いた一言がCグループ戦を決定づけた。

「いっそ『転がしドッジボール』にしちゃったら? アレだったら、多分ちょろっと練習したら、誰もアウトにならない。 あとは寮長が指導して、ボールの避け方だけバッチリ統制とらせればいいわけでさ。 そしたらこっちが敵をアウトにできなくても、合法的に、最初の人数が多い方が必ず勝つ。 つまり……」

「つまり……わたくし達の勝ち、になりますわね」

「「……」」

 顔を見合わせる5人。 脳裏に幼年学校低学年で遊んだ、簡単な、というか簡単すぎる球技『転がしドッジボール』がよぎる。 しばらくして『転がしドッジボール』の検討が始まった。 そして、コートの広さ、攻守交替制の導入、ボールの投げ方などの細則案が完成したときには、4人ともども満足気に笑いを噛み殺していた。


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