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調教学園寮夜話
【学園物 官能小説】

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第11話『寮祭打ち合わせ』-1

『寮祭打ち合わせ』


 夏の寮生は、場合によっては学校行事の繁忙期よりも忙しい――というのは最上級生に限った話で、寮の自治、寮の行事を企画運営する関係上、頻繁に集まって打ち合わせをする。 今日も史性寮Aグループ生5人が寮長室に集まって、何やら頭と頭を寄せていた。 普段であれば醒めた様子が垣間見える寮長室だが、顔と顔を寄せてクスクス忍び笑いする仕草など、どこかいつもと雰囲気が違う。 

 彼女たちが相談しているのは『史性寮の寮祭』をどう運営するか。 この寮祭は、寮生の、寮生による、寮生のための数少ない行事である。 普段はオマンコ臭が詰まった寮だが、この日だけは、少女たちがかつての平穏な幼年学校然とした『常識』に近づくことが許される。 そういう1日にするべく、例年Aグループ生は随分前から計画を立て、各部署に根回しを済ませてきた。

 場の仕切は【A5番】だ。 Aグループに留年中の【A5番】は、この中で最も経験を積んでいる。

「日取りはコレでいくとして、配膳業者には了解とれてんの?」

「バッチリだって。 BやCがいない間も、毎日寮の割り当ては完食させてみせたんだからね〜。 完食記録が400日連続を超えてるんだから、1日くらい無理を聞いて貰ってもバチは当たんないじゃん。 快く目を瞑ってくれるって、サブリーダーさんもいってくれたし、リーダーにも通ってるでしょ」

「……っていうか、アミ、もしかして直接リーダーさんに確認してないの?」

「え? あ〜……まあ、そういうことに……なるかも。 サブリーダーさんには確認したけど」

「それじゃ困る。 こういうのはちゃんと念押ししてくれなくちゃ……アミが担当なんだから、面倒だろうけど明日必ず確認とっといて。 オートミールの代わりに、スナックとジュース、カップケーキを76人分」

「はいはい。 本人に念押ししときますですよ」

 口を尖らせながらも素直にうなずく【A3番】。

「楽器と音源は大丈夫です。 みなさんからいただいたリクエストは一通り用意してます。 アコさんが教えてくれた通り、倉庫に全部揃ってました」

「アイのことだから大丈夫とは思うけど、一応何があるのか挙げてみて」

「はい。 ピアノ、アコースティックギター、アンプ、ドラムセット。 管楽器がフルート、トランペット、トロンボーン、ホルン、Aサックス、Tサックス、Bクラリネット、チューバ、ユーフォがそれぞれ2本ずつ。 それにシロホンとグロッケンに、チャイムとエレクトーンも持ってきてます」

「上々。 重かったでしょう」

「……ですね〜。 夜にコソコソ運ぶしかなったから、後輩に手伝わせるわけにもいきませんし……シロホンとチューバは泣きそうになりましたねぇ。 まぁ……ピアノとチャイムでは本当に泣いちゃいましたけど」

「わかるよ。 手伝ってあげられたらよかったんだろうけど、ごめんね、あそこは狭いからさ」

「いいえ、みなさんそれぞれ受け持ちだけでも大変ですから。 あたしなんて前日準備だけだから、楽な方です。 ……ただし、片付は後輩に手伝わせますので、悪しからず」

 【A1番】がシミジミと肩を竦める。 もともと体格がいい方でない彼女にとって、楽器という複雑巧緻な金属の塊は、想像以上に負荷だった。 地下の倉庫から食堂まで、台をゴロゴロ押して移動させるだけでも重労働というのに、人1人やっと通れる細い通路である。 壁にぶつけないよう細心の注意を払ってピアノを押す大変さは、やってみた者にしかわかるまい。

「ところでマイクが見当たらないんだけど?」

「……あ」

「……こらこら、肝心なところが抜けてるじゃないのさ。 今すぐワイヤレスマイク2本と拡声器1台、すぐにとりに――」

「了解です!」

 【A5番】が言い終える前に、【A1番】は駆けだしていた。 

「アニー、有志の集まり具合はどんな感じ?」

「うん。 Bは順調にいってるね。 ほぼ全員出るみたいだよ」

「やるなぁ〜。 こういうのに参加するかどうかって、結局は担当の人望次第なとこがある。 アニーがちゃんと信頼関係つくれてるからだと思うよ。 アニーは上手く後輩と距離感あるし、えこひいきなんて絶対しないし、だからみんな安心して、参加してもいいかなってなるんだよね」

「またまた、そんな……あのコらが優秀なだけだよ。 私なんて、出てね〜っていっただけだもん。 演出、証明、音響は頑張るけど、勧誘はたまたまやる気がある学年にハマっただけ。 『出てね〜』で集まるなら苦労しないって」

 パタパタと顔の前で手をふる【A2番】。

「その一言が届くかどうかが人柄なんだっていってるんだけどなぁ……ところでB生はいいとして、C生はどう?」




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